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〈論調〉 ニコン社の卑屈な対米追従姿勢

 最近、アルジェリアで国連子供環境ポスター原画コンテストが開かれた。

 コンテストの最終日に入賞者に対する表彰式が行われた。ところが、主催者側がコンテストの性格と趣旨にそぐわない表彰を行ったことにより、国際コンテストの気高い名誉を汚す出来事が起きた。

 表彰式では、各国の入賞者に日本のニコン社の製品であるデジタルカメラが授与された。ところが、コンテストの入賞者として評価されたキューバの12歳の少年にはデジタルカメラではなく、絵画道具などの代替商品が授与された。

 表彰品を主管したのは、今回のコンテストの共催者である日本のカメラメーカーであるニコン社であった。ニコン社はデジタルカメラに米国製部品が含まれており、それをキューバの少年に授与することが米国の対キューバ経済制裁の輸出規制に「抵触」するので代替賞品を授与したとその理由を説明した。何と卑屈な親米、対米追従姿勢が色濃く漂う醜い行為であろうか。

 ニコン社のこうした行為は、米国に影のように従い、国際的正義と公正さをかなぐり捨て、主人にやみくもに盲従する日本当局の屈従外交をそのまま真似たものである。

 これと関連してキューバを含む多くの国で非難、糾弾の声が高まるや、狼狽したニコン社は、米国の輸出規制に「抵触」しないカメラを与える問題を検討すると言って世論を静めようと画策した。

 カメラの問題ではない。ニコン社がどのような措置を取ろうとも、キューバの幼い少年の心に負わせた傷をいやせようか。

 今回の事件を契機に、世界は定見もなく他人の笛に踊らされる日本が国連安全保障理事国になるとせん越に言っていることに対し、あざ笑っている。(労働新聞12日付記事)

[朝鮮新報 2006.11.18]