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〈みんなの健康Q&A〉 インフルエンザ−予防と対策

 Q:昨年の暮れから例年にない寒さとともに、インフルエンザが流行してきました。インフルエンザはどのような病気ですか?

 A:インフルエンザはインフルエンザウイルスによる感染症です。38度以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などの全身症状が突然現われ、のどの痛み、咳、鼻水などの症状もでます。大多数の人は治療を行わなくても約1週間で自然に治癒します。しかし、乳幼児や高齢者、呼吸器や心臓などに慢性の病気を持つ人では、気管支炎や肺炎などを併発したりして、重症化することがあります。

 Q:インフルエンザは普通のかぜと違うのですか?

 A:普通のかぜは、のどの痛みや鼻水、くしゃみや咳などの症状が中心でインフルエンザと似ていますが、全身症状はあまり強くなく、発熱もあまり高くなりません。また、インフルエンザは流行性疾患で、いったん流行が始まると、短期間で多くの人々に流行し、学校や仕事を休む人が増え、学級閉鎖などの原因になることも普通のかぜと違うところです。

 Q:インフルエンザはどうして人から人へうつるのですか?

 A:インフルエンザにかかっている患者が、くしゃみや咳をすることで吐き出すつばきや痰などの微粒子(飛沫)にインフルエンザウイルスが含まれ、それをほかの人が吸い込むことで人から人へ感染します(これを「飛沫感染」といいます)。吸い込まれたインフルエンザウイルスは鼻腔や咽頭などの上皮細胞に侵入し増殖します。増殖に伴ってインフルエンザが発症(感染後1〜4日)し、再び、発症した人からほかの人に感染していきます。

 Q:インフルエンザにかかったらどうすればいいのですか?

 A:インフルエンザの治療には、一般的治療と抗インフルエンザ治療薬を使った特異的治療があります。一般的治療では、まず第一に安静にして休養をとることです。とくに睡眠を十分にとることが必要です。次に、水分を十分に補給してください。お茶やジュース、スープなど飲みたいもので結構です。大多数の人は約1週間で自然に治癒します。抗インフルエンザ治療薬は現在3種類(塩酸アマンタジン、オセルタミビル、ザナミビル)が認可されています。いずれも医療機関で診察のうえ、処方を受ける必要があります。また、これらの抗インフルエンザ治療薬は発病後2日以内に服用を開始しなければ効果がないとされていますので、突然の高熱などインフルエンザを疑う症状があれば早めに診察を受ける必要があります。服薬により、罹病期間が短縮されます。

 Q:インフルエンザにかかったとき、解熱剤を使ってもいいですか?

 A:インフルエンザでは38〜39度代の高熱が出るため、対症療法として解熱剤の使用が考えられます。しかし、インフルエンザ脳症と解熱剤との関連が示唆され、とくに小児においては、アスピリンなどのサリチル酸系解熱鎮痛剤、ジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸など非ステロイド系消炎剤の使用は禁忌とされています。どうしても必要なときはアセトアミノフェンを使用します。成人ではインフルエンザ脳症を発症する頻度は低いとされていますが、やはり注意する必要があるでしょう。市販のかぜ薬や、そのほかの疾患でもらった解熱鎮痛剤の中には非ステロイド系消炎剤が含まれていることがあります、注意してください。

 Q:インフルエンザを予防するためにどうすればよいですか?

 A:インフルエンザの予防は、流行前に予防接種を受ける方法もありますが、日常生活で気をつけることもあります。日常生活ではまず、体調を整えて抵抗力をつけ、ウイルスに接触しないことが大切です。また、インフルエンザウイルスは湿度に弱いので、室内を加湿器などを使って適度な湿度に保つことも有効です。そのために、@栄養と休養を十分摂りましょう。体力をつけ、抵抗力を高めることで感染しにくくなります。A人ごみを避けましょう。病原体であるウイルスと接触しないようにします。B適度な温度、湿度を保ちましょう。ウイルスは低温、低湿を好み、乾燥しているとウイルスが長時間空気中を漂っています。C外出後、手洗いとうがいをしましょう。手洗いは接触による感染を、うがいはのどの乾燥を防ぎます。Dマスクを着用しましょう。ウイルスの吸入を防ぐとともに、インフルエンザにかかった人では、他人に感染させるのを防ぐ効果もあります。(李永浩医師、共和病院、大阪市生野区勝山南4−16−10、TEL 06・67182221)

[朝鮮新報 2006.1.13]