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KOREAN COOK 朝鮮料理の魅力 「おいしくなかったら料理じゃない」

トック入り七草粥

 「料理本のアカデミー賞」といわれる「グルマン世界料理本大賞」の「04年世界のベスト創作料理部門、佳作」を受賞した同胞・料理研究家の金徳子さんがこのほど、「KOREAN COOK 朝鮮料理の魅力」を出版した。本書は、朝鮮新報社発行の月刊「イオ」に連載された人気シリーズで、出版にあたっては、同編集部が全面的に協力した。

 本書の特徴は、朝鮮料理のポピュラーな献立が、簡潔な記述と、美しいカラー写真で紹介されていることだ。ページをめくるだけでも食欲をそそる。料理の素人や一人暮らしの若者にとっても、手に取りやすい作りとなっている。 

 また、ゴボウ、カボチャ、キノコ、カキ、タラなど野菜や魚を使ったジョンの作り方も多数紹介されていて、ヘルシー感もいっぱい。

デザート、水キムチ

 さらに、「残った材料でもう一品!」として、「トック入り七草粥」「饅頭キムチ鍋」などが紹介されている。気ぜわしく日々を送る共働き家庭にとっては、経済的で、ありがたい一冊。

 著者の金さんは、東京都渋谷区で「弧狸庵家庭料理ナルゲ」を営みながら、雑誌に連載を持ち、また、テレビ出演もこなし、数々の料理教室の講師を務める。

 金さんは山口県出身の在日2世である。上京後、結婚。「両班料理の伝統を守り続けた」として定評のあった姑の故・申小南さんに仕え、その伝統的な料理法を仕込まれ、味を受け継いだ。

 金さんの料理のベースには、朝鮮の伝統の味とともに、日本で出会った豊かな食材を生かした独創的な料理も数多い。本書には、そうした文化の融合の痕跡も見えて、興味深い。

 姑の口癖は「おいしくなかったら、料理じゃない」だったという。まさに至言。本書を駆使して、「おいしい朝鮮料理」に挑戦して、家族や友人、さらには、地域の日本の隣人たちにふるまってはいかが。(粉)

[朝鮮新報 2006.2.8]