第2回 華雪書芸教室作品展 同胞女性、学生、一般同胞などの作品45点展示 |
金笠、申師任堂、金素月の詩などの意欲作も
高い天井と広々とした空間。暖炉の中では薪がぱちぱちと音を立てて燃えている。窓からほのかに差し込む自然な光が作品の表情をやわらかく照らし出す…。 自然素材に囲まれた古民家ギャラリー青らんぎ(東京都小平市)で11、12の両日、「第2回華雪書芸教室作品展」が開かれた。 教室は、福生市在住の同胞書芸家、李順分さん(号=華雪、57)が指導するもので、会場には女性同盟西東京本部書芸サークルの同胞女性はじめ李さんの教室で学ぶ学生、一般同胞など38人の作品45点が展示された。 高麗書芸研究会の常任理事として活動している李さんは、中国延辺書芸家協会、韓国民族書芸家協会とともに、書芸を通して同胞たちの民族心を育てる活動に積極的に取り組んでいる。
展示作品には朝鮮の放浪詩人・金笠の詩や、朝鮮の優れた女性画家としても知られる申師任堂の詩、日帝時代を生きた朝鮮の詩人・金素月の詩などの意欲作も出品された。 李さんは、「展示された作品の一つひとつは、生徒さんたちが自らテーマを探したもので、作品選びから仕上げまでその人の思いがぎっしりとつまっている」と話す。彼女の話によると、作品選びから仕上げまでの全過程が「民族心」を育てる過程となる。金笠や、申師任堂、金素月の詩を素材として選んだ生徒たちは、その作品と作者、時代背景などと真摯に向き合い、作品を納得いくよう仕上げるまでに涙を流す思いで100枚以上も筆を動かし続けたという。 申師任堂の詩を手がけた金慶姫さん(27)は、「初級部2年生のときから李先生の教室で学んでいる。これまで20年近く書芸を続けてこられたのは、李先生の人柄に強く惹かれたから。今回の作品は、朝鮮王朝時代の優秀な女性画家としても知られる申師任堂に対する憧れもあって」と話した。また、金素月の詩を書いた鄭玉順さん(32)は、「教室に行き書芸と向き合う時間は、私にとって1週間のうちで最も集中している時間。今回はじめて朝鮮の文字に挑戦した。最初は『焼』を一文字書くのに3時間も費やした。一文字、一文字、丁寧に練習を積み重ね、ついにこの作品を仕上げた。昨年9月から1月末まで、年末、年始も自宅で練習し、やっと仕上げた作品なのでとても愛着を感じている」と語った。
作品展には書芸を始めて1年という朴政子さん(62)の「意自如」や、女性同盟西東京本部書芸サークルに通い始めて7年になる金貞美さん(46)の「知道不惑」など自身の内面と向き合う作品も多数出品された。 金さんは、「家庭の主婦で社会的に評価される機会のない私にとって、書芸展はとても良い機会。書に打ち込む姿は子どもたちにとっても良いと思う。気持ちを込めて書いた作品を子どもたちにもしっかりと見てもらいたい」と笑顔で話した。 2日間に会場を訪れた観客数は約200人。出品者たちはゆったりとした空間の中で、書に対する思いを丁寧に語っていた。(金潤順記者) [朝鮮新報 2006.2.23] |