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くらしの周辺−幼い涙

 早いもので今の職場に移り二度目の春を迎えた。

 春は別れと出会い、そして旅立ちの季節。卒業や入学、そして新たな生活へのチャレンジとまさに希望に満ちた良い季節である。

 思えばこれまで春になると、仕事柄なのか、はたまた単に「もの好き」なのか、ウリハッキョの卒業式や入学式には何度も参加し、そのつど心温まる思いで胸がいっぱいになったものである。

 そんな中、筆者が現在居住する地域の東京第6でも先月、58回目の卒業式が行われた。7人の卒業生たちはわれわれに大きな感動を与え、立派に成長し母校を巣立っていった。昨年に引き続き卒業式に参加したが、今年も驚きの光景を目の当たりにした。それは、卒業生たちが涙するだけでなく、別れを惜しみ在校生たちが大粒の涙を流し泣いているのである。その涙はすすり泣きという程度のものではなく、まさしく「号泣」であった。1年生や2年生の幼い児童たちまでもが大粒の涙を流し「号泣」していた。

 涙腺の弱い筆者が幼い涙にもらい泣きをしたのは言うまでもないが、今あらためて思うと、それは、ウリハッキョに通う児童たちみなが普段からお互い兄弟のように仲良くすごしているということの表れであり、それこそ学校生活の集大成のような気がしてならない。

 さて、幼い児童たち、今後は人生のどういう場面で涙するのであろうか。どんな仲間たちと、どんなドラマを演じるのであろうか。そう考えると、わくわくする気持ちを抑えられないと同時に、よりよい涙を流せるように陰ながら応援していこうとつくづく思う今日この頃である。(梁大隆、東京、大田区在住)

[朝鮮新報 2006.4.17]