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朝鮮学校入学おめでとう応援隊 子どもたちのピカピカの笑顔を見守る

 今年も満開の桜の下で入学式が行われ、子どもたちのピカピカの笑顔を見守ることができた。

。子どもたちの新しい門出に心から拍手を送る。子どもたちを囲む環境は一時に比べて穏やかなように見受けられるが、むしろ表に出ない分、深く根が張り、深刻さを増している。

 「朝鮮学校入学おめでとう応援隊」を最初に呼びかけたのは2003年3月のことだが、当時は各地で在日コリアンへの嫌がらせや暴力的行為が起こっていた。神奈川で「多文化共生社会」の実現に向けて活動している「あーすネットかながわ」という市民組織がある。そこで朝鮮学校の関係者から学校への脅迫電話や嫌がらせが続き、子どもたちの安全が脅かされていると聞いた。子どもたちは集団で登校し、教師が送り迎えする緊張した状況であることを知り、何とかしなければと思った。応援している人がいることを行動であらわそうと、その場で「応援隊」を結成した。誰にとっても晴れやかで期待に胸ふくらます入学式、国籍や民族にかかわらず、子どもたちが安心して自由に教育を受けられる権利を守りたいと願った。

 当日は嵐のような大雨の中、横浜駅から学校までの沿道に応援隊のメンバーが立った。飛ばされそうな傘を握って「おめでとう」と声をかけると、「ありがとう」ととまどいながらの笑顔、あの光景は忘れられない。また、入学式へ参列させていただき、会場から大きな拍手とたくさんの感謝の言葉をいただいた。共に心が通じ合ったようで私たちも応援されているのだなと感じることができた。

 今年は動き出すのが遅れ、間際になってからの広報だったために参加者が少ないことが懸念された。しかし当日、川崎、川崎南武、横浜とも多くの参加があり、オレンジ色の幟を立てることができた。幼稚園の子どもたちは、幼いしぐさながらきちんとあいさつできて、なんかそれだけで涙が出そうだった。こうした活動の中で参加した若者も学んでいる。このような活動がどれほど意味があるのか、たった一日の行動で何が変わるのか、いつまで続けるのか、などためらいもある。しかし在日コリアンはこの国で日常的に緊張と不安を強いられ、時には絶望や恐怖の中にいて、将来を案じ、民族の誇りを持ち続けることの難しさを感じているのだろう。そんな不安も無く、子どもたちの笑顔がより輝くような社会になるまで、一緒に歩いていきたいと思う。

 21世紀は「平和の時代」にとの願いで始まったが、世界各地で紛争が起き、不安定な状況が続いている。半世紀以上にわたって隔たれている朝鮮半島との関係はいまだに緊張が解けない。政治的な解決が望まれるが、私はまず、自分の足元の問題を考え、解決することが平和への第一歩と思う。そのためには地域の中で国籍や民族の違いを超えて、共に認め合い、支えあえる仕組みを作ることが大切だ。「入学おめでとう応援隊」はささやかな活動だが、足元から平和な社会を作っていく大きな活動になると信じている。(横川芳江、特定非営利活動法人「地球の木」代表)

[朝鮮新報 2006.5.10]