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金剛山歌劇団 水原公演、華やかでセンスある舞台に釘づけ 統一への思い、客席と一体

 【ソウル発=金明c記者】6.15共同宣言発表6周年を記念して「金剛山歌劇団特別公演」(同歌劇団の洪嶺月名誉団長ら総勢60人)が4日、京畿道水原市の京畿道文化の殿堂で行われた。南北経済文化協力財団などの招請によって実現した今公演には文化観光部の金明坤長官、韓国民族芸術人総連合(民芸総)の金容太会長、林賑沢副会長、民芸総・京畿支会のキム・ヨンギ支会長、文化の殿堂・表在淳社長など政界、文化、芸術界、水原市民ら1300余人が観覧した。南の市民たちは、金剛山歌劇団の歌と舞踊に魅了され、フィナーレでは総立ちで拍手を送るなど最高の盛り上がりを見せていた。

会場の盛り上がりを見せた「ハナ/ひとつ」

 公演開始1時間前。すでに、会場の前には南の市民たちが長い行列を作っていた。「市民たちは、いまかいまかと待ちわびていた」と口をそろえる民芸総の関係者と公演実行委員たち。市民たちは新聞、雑誌の広告、口コミなどで公演のことを知り、会場に駆けつけた。

 南の市民たちは、北の文化公演にはすでになじみがあるようだ。とくに北最大の祭典である大マスゲーム・芸術公演「アリラン」を観覧し、平壌を訪れた人も多く、そのイメージを持っている人も少なくない。今公演で作成されたパンフレットの題字には「北側唯一の海外芸術団」の文字。在日3、4世の同胞たちが織り成す舞台が北の公演とどのように違うのかと、南市民の期待も大きくふくらんでいた。

カゴパの踊りに会場からは大きな溜め息も

 金剛山歌劇団の南公演は、2000年に6.15共同宣言が発表されたあと、同年12月にソウルで、02年12月に釜山と全州で公演を行ったほか、04年6月にはソウルで南のロックバンドグループのユン・ドヒョンバンドと「オ! トンイルコリア2004」にも出演している。数度にわたる南公演により、その認知度は南社会でも徐々に広まりつつあるようだ。

 公演の幕があがった。チマ・チョゴリを着た女性司会者が舞台に登場するとそれだけで大きな拍手がわきおこる。1部は民族楽器と器楽合奏 「オンヘヤ」。つづいて女性独唱と女性4重唱「ハナメドレー」、チャンセナプ独奏「烈風」、伽倻琴独奏「海の歌」、男性独唱「遥かなる道」など、伝統的な音楽を現代風にアレンジした演奏、そして一日も早く祖国の統一を実現させようとする3、4世たちの切実な気持ちを込めた歌声が会場に力強く響いた。

女性重唱「リムジン江」

 また1部途中、南の伽倻琴演奏家であるチョ・ムンヨンさんが特別出演し、伽倻琴独奏「砦の春」を演奏した。1部最後の演目の「チャンゴの舞」ではドラムとチャンゴの調和、舞踊とサンモのにぎやかな踊りに「いいぞ!」との歓声があちらこちらからわき上がった。

 2部の舞踊公演は、演目ごとに大きな拍手が起こった。舞台で織り成される華麗な朝鮮舞踊。観覧者たちは体を前に起こして目を凝らして舞踊の世界に酔いしれていた。

 群舞「カゴパ/鳥のように」、男性双舞「朝鮮将棋の舞」、12人の若い女性たちが農具の箕を持って踊る群舞「箕の舞」、崔承喜作の独舞「荒波を越えて」など優雅な舞踊が披露された。

公演終了後、総立ちで拍手を送る南の市民たち

 注目を集めたのは 3人舞の「ハナ」。「統一旗」が舞台上に広がると、市民たちは割れんばかりの拍手で応えた。会場はまさに南北、海外の同胞たちの統一へのあふれる思いでクライマックスを迎えたかのようだった。フィナーレではスタンディングオベーションがいつまでも続いた。

 観客の一人、水原市に住むウ・キョンファさん(48)は、「最初は北の芸術団による公演なのかと勘違いしていた」という。「途中で日本からきた同胞たちの公演だと聞いて驚いた。もっと北のイメージが強い公演だと思っていたが、古典音楽がモダンにアレンジされていてとても粋な舞台で印象的だった」。

 また、金明坤長官は、「洗練された舞台に酔いしれた。これからは金剛山歌劇団と南の芸術家たちが、お互いの芸術性を高め合う交流ができれば」と語った。

 一方、夜には歌劇団の公演を祝い、6.15民族共同委員会南側委員会京畿本部のメンバーたちが水原市内で歓迎宴を開いた。宴の場所を提供した水原市民新聞のキム・サムソク代表は、「統一を近づけるすばらしい公演。こういった機会がひん繁にあればいい」と笑顔で語っていた。

[朝鮮新報 2006.6.8]