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「ウリウリコッポンオリコンサート」 民族の心を胸にオソオソチャララ!

 「ウリウリコッポンオリコンサート」(主催=東京都青商会・民族教育支援委員会、女性同盟東京都本部、女性同盟東京オンマオリニネット、東京朝鮮学校オモニ会連絡会)が5月27日、東京都北区の滝野川会館大ホールで開かれた。この日、2回にわたって行われたコンサートを都内の学齢前幼児とその父母、同胞たち約700人が観覧した。コンサートは、オープニングと歌、アニメーション、キャラクターショー、ピビンバレンジャーショー、体操、歌とエンディングで構成された。

青商会、子育てに一役

「ウリウリコッポンオリコンサート」(5月27日)

 昨年、結成10周年を迎えた在日本朝鮮青年商工会(青商会)では、豊かな同胞社会を築いていこうと「未来プロジェクト」を企画、推進してきた。その一環として学齢前の幼児に民族心が芽生えるようにと、「コッポンオリクラブ」の活動を進めてきた。

 昨年9月、ビデオ「ウリウリコッポンオリ」を発売。ビデオは全国の学齢前幼児らともに、その父母からも大好評を得ている。そして今年3月には第2号が発売された。

 この日はそこに出演しているキャラクターが、舞台に立った。

 出演者のひとり、洪英姫さん(声優、28)は以前、子どもにウリマル、ウリノレを教えたいのに、うまくいかないという若いオモニの悩みを聞いたことがある。「ビデオやコンサートを通じて少しでも手助けしたい。期待に応えられればうれしい。子どもたちの手本にならなくてはいけないし、責任も生まれる。なによりも私自身が正しいウリマルを使えないと」と気持ちをひきしめる。

 洪さんをはじめ、出演者たちは舞台でビデオ同様、ウリマル、ウリノレを「チビッコたちの目線」で伝えた。画面で見た憧れのキャラクターが目の前で歌い、踊る姿にチビッコたちは喜びを隠せない様子だ。どの子も満面に笑みが浮かぶ。

 「アンニョンハセヨ!」−学齢前の幼児が発する朝鮮語は、新鮮そのもの。これには両親、祖父母の努力はもとより、青商会も一役買っている。

さまざまな「場」提供

出演者のパフォーマンスに身を乗り出す幼児ら

 コンサートの裏には、青商会と共に開催のための準備を進めてきた女性同盟オモニたちの存在もある。

 都内に6つある学齢前幼児のオモニサークル。最近ではこの子育てサークルに「青商会世代」の若いアボジたちも関心を寄せているという。サークルを取り仕切る東京オンマオリニネットの関係者は、こう語る。

 「子育てに情報を求める声は年々増え続けており、ニーズは多様化している。子育てサークルがない地域のオモニたちにも今日のような場を提供していくことが大事」(朴史鈴さん、38)

 「若い父母には受け皿が必要。子育てサークル、コッポンオリクラブのような子育てのための支援組織がそれだ」(安徳治さん、38)

 さらに都内のオモニ会をまとめ、携帯情報発信サイト「パラム」運営に携わる東京オモニ会連絡会事務局の梁清美さん(40)は、「子育て情報を共有する環境作りが大事だ」と強調した。

 一方、別室では辺貞姫さん(福生市子ども家庭支援センター相談員、42)、成基香さん(杉並区、練馬区心理相談員、27)らが「子育てサロン」を開設。子育てにおける子どもの健康、発達、教養などに関する相談窓口が設置された。

歌のお兄さん、お姉さんとキャラクター

 辺さんは4月末、在日コリアンの子育て応援サイト「イキイキ応援隊!」(kokoro-bitamin@ktga.jpに空メールを送信すると携帯サイト・メールマガジンが楽しめる)を立ち上げた。子育てなどの悩みを抱える親をカウンセリングする。辺さんは、「まずは困ったことをざっくばらんに聞く。そして子育ての視点を修正する。さらに連絡をとりながら、引き続きアドバイスしていく」ことが大切だと感じている。

 日ごろから子どもと「コッポンオリクラブ」のビデオを鑑賞しているオモニらは、これまでの青商会の取り組みとこの日のコンサートに共感を示した。

 「なかなかユニークな催しですばらしかった」(台東区在住の朴順愛さん、35)、「楽しいコンサートだった。家ではビデオを朝から流している」(板橋区在住の趙吉玉さん、35)、「ビデオ鑑賞を生活に取り入れた結果、今年初級部に入学した娘は季語などのウリマルを知ったうえで入学できた」(杉並区在住の李由子さん、32)、「上の子が初級部入学当時、日本の学校に行きたいと言ったが、そのときにビデオが発売されていたらよかった。末っ子はビデオのおかげで、スムーズにウリハッキョに入学できそう」(中野区在住の朴亀代さん、35)、「わかりやすいコンサートだった。これからも続けてほしい」(北区在住の金美亨さん、34)。

 また、朝大教育学部保育科2班の羅琴美班長は、「歌は歌いやすく、覚えやすい。将来教員になりたいので、言葉使いなどとても勉強になった」と話していた。

 青商会では今後、各地方の要求に応じ全国ツアーも視野に入れ、「コッポンオリクラブ」の活動を幅広く展開していく予定だ。(李東浩記者)

[朝鮮新報 2006.6.10]