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「在日」にしかできないサウンドを

金剛山歌劇団 ドラマー 李光秀さん

 現代楽器の「雄」であるドラム。その音とリズムは若者のパワーを象徴するかのようだ。

 金剛山歌劇団の若きドラマー・李光秀さんは、華やかな舞台で織り成される朝鮮舞踊や歌謡に合わせ、軽快で迫力あるドラムのリズムを叩き出す。優しい顔つきは、スティックを持つと力強い表情へ一変。

 今月初旬のソウルと水原での公演で民族楽器と現代楽器とを融合させた演奏「オンヘヤ」や、舞踊「チャンゴの舞」ではチャンダンとドラムのリズムを重ねた演奏が珍しかったのか、南の市民たちの好評を博していた。「公演も楽しいけど、新しい曲を合わせる時の臨場感がわくわくする」。

 秋田県出身の27歳。東北初中高で吹奏楽部に所属しながらドラムを独学。朝鮮大学校に進んだあとも「勉学よりもバンド活動の方が忙しかった」と少し反省の色を見せる。朝大内では当時「芸術団(現在は軽音楽団)」と銘打った学生バンドグループがあり、そこで活動の範囲を広げていった。金剛山歌劇団に入るきっかけになったのは「学生時代からドラムでお世話になった先輩がいたから」。初めてドラムで正式な舞台に立ったのは、朝青京都のイベントだった。「緊張したけどみんなの反応がよくてその盛り上がりに触発される自分がいた」。

 入団5年目。本公演のほかに、歌劇団の若手奏者による「ヒャン」「LINE」でも活動する。「『在日』=自分たちにしかできないサウンドをどんどん作っていきたい」。

[朝鮮新報 2006.6.28]