「市民連帯・大阪」主催のコンサート 祖国統一と朝・日国交正常化 アジア平和の礎石 |
同胞、日本人ら1000人が喝采 「日朝国交正常化の早期実現を求める市民連帯・大阪」が主催する「日本と朝鮮、韓国の心を繋ぐコンサート」が6月27日、クレオ大阪中央(天王寺区)で行われた。同胞、日本人ら1000人以上が観覧した。 メッセージに衝撃
「北と南、朝鮮と日本、本国と在日−そんな区別は、平和という大義の前では霞んで見える」。コンサートで披露された南朝鮮のバンド「ウリナラ」の希望に満ちた歌は、在日同胞と日本人の心を一つにした。 「われわれは時に日本を恨んだ/植民の40年がなければ/分断の60年はなかったはずだから」(「ウリナラ」が朗読したメッセージから) 「ウリナラ」のコンサートを初めて観覧したというある日本人夫婦は、このメッセージに衝撃を受けたという。「言葉や形だけの友好親善ではなく、相手の喜びや悲しみを理解する。初歩的だが一番大切なことを思い出させてくれた」。 「固く連帯しともに努力してきた日本の友人のみなさんに/言葉で言い尽くせない感謝を感じます」「在日同胞と日本の友人たちが尊敬し合い共に生きる社会を築くために/われわれはすべての力を合わせ朝・日国交正常化を実現させるでしょう」(同メッセージから) 満員の会場からは力強い拍手と歓声がわき起こった。 「平和の方程式」
「ウリナラ」は「統一祖国の輝く朝、すべての民族の新しい出会い」を願い、1999年7月に結成されたバンド、「ノレウンドン(歌運動)団体」。祖国の自主的平和統一を願い、学生運動や労働運動のさまざまな現場で歌い続けている。 今回のコンサートでは「一つ」「わが民族同士力を合わせて」「赤とんぼ」などを披露。日本でのコンサートツアー(大阪、兵庫、愛知)用に朝鮮と日本の友好への願いを加え、「祖国統一と朝・日国交正常化はアジア平和の礎石」という「平和の方程式」を歌とメッセージで見事に完成させ、観客の心をがっちりとつかんだ。 観客は「ウリナラ」の呼びかけに応え、「6.15共同宣言、祖国統一万歳!」「朝・日国交正常化万歳!」「平和なアジア万歳!」を声高に叫んだ。 主催した「市民連帯・大阪」の有元幹明共同代表は、「多くの人が見に来てくれて、『元気をもらった』『感動した』と喜んでくれたのでうれしい。日本人と在日の人たちの心をつなぐきっかけになれば」と語った。 永久睦子共同代表は「とても盛り上がって大成功。日朝国交正常化の声を全国的規模に広げていきたい」と語った。 子どもの未来のため コンサートでは、日本でも有名な南の人気俳優・権海孝さんのトークショーも行われた。 権さんは、「統一といえば夢のような話だったので、2000年の両首脳の握手を見て涙した」と語る。 6.15を迎え「自分も何か統一のためにできないか」との思いから、「統一時代を生きる子どもたちが健康に育つように」と、北の子どもたちに「栄養パン」を支援する活動に携わるようになったという。 コンサートでは権さんと主催者側の呼びかけで観客もカンパに賛同。多くの募金が集まった。 また、権さんは、金剛山での北、南、海外の青年、学生たちの出会いの行事に参加した思い出を語った。行事が終わり別れる際、在日同胞の学生たちが一番涙を流していたことが今も忘れられないという。コンサートで特別出演した東大阪朝鮮中級学校合唱部の歌う姿を見てあらためて感動させられたという。 政治情勢によってさまざまないじめに遭ってきた朝鮮学校の生徒たち、同胞の子どもたちが「心置きなくチマ・チョゴリを着て街を歩ける社会を」(「ウリナラ」のメッセージから)―これが「アジアの平和」を表すメルクマールなのだろう。(李泰鎬記者) [朝鮮新報 2006.7.11] |