在日のみなさんへの手紙 朝鮮学校生徒への嫌がらせなくそう |
「日本人として恥ずかしく、情けない」 私は広島市在住の日本人です。明治生まれの今は亡き祖母も、今年72歳になった母も 私が幼い頃から、中国や韓国や朝鮮の方とも仲良くするようにと言っておりました。 私が住んでいた町、広島県は安芸郡海田町(現在は広島市東区に移転)には、朝鮮学校がありました。中学、高校と海田でしたので、なんとなく親近感を持っておりました。帰り道が同じ方向の朝鮮学校の女の子と、たまに話しながら帰った事もありました。 悲しみと痛み
私は根っからの東アジアっ子と言いますか、東アジア諸国が好きです。ですから総連と民団が和解した時には、自分のことのようにうれしく思っておりました。 今回のミサイルの件ですが、私のような一国民には、朝鮮の真意は解りません。 ただ、諸外国が冷静な対応をと言っているにもかかわらず、早々と制裁措置を発表して大騒ぎする日本を見て、何をしているのかと怒りと悔しさと悲しさを感じました。また在日の方々や学校への嫌がらせは、拉致問題の頃よりも頻発しているようで、日本人として恥ずかしく情けなく思います。一日本人として、ごめんなさいと言いたいです。 在日の方々は、大変な思いをしておられることでしょう。 仕事中によく立ち寄る行きつけのお店があります。 ママさんが韓国の方なのですが、今日も話しこんできました。どうして日本はあんなに騒ぐのだろう? と。結局は米国のいい餌食だろうということで意見が一致したのです。小泉氏の靖国参拝で日本への批判が高まる近隣諸国に偉そうに言ったところで通じるわけもないし、調子に乗りすぎですよねぇと。 国と国との問題は政治的な面でいろいろあると思います。ですが、日本という小さな島国で同じように生活をしている人々に、なぜ、このような悲しみや痛みを負わせなければならないのでしょうか。日本の戦争の歴史について、知らなかった事実を知るべく努力するとか、近くに住んでいる在日の人々がなぜ、日本で暮らしているのかなど、最低限理解を深め、同じ人間として仲良くできるような方法はないものでしょうか。 私の友人の一人は韓国籍で、彼女自身はそうでもないのですが、お婆様はやはり植民地時代のことで日本を憎んでおられるようです。 北、南、日本が仲良く 一個人としてなのですが、総連と民団が和解した時に、そこに日本を加えて 3国が手をつなぐステッカーなどを作り、仲良くしようよ! と呼びかける運動を広められたらいいのになぁーと考えております。 今回私が一番腹を立てているのは朝鮮学校や子どもたちへの嫌がらせです。私はドライバーなので、広島県内を広範囲に移動しながら仕事をしています。もしも私にでもできることがあるならば、朝鮮学校の子どもを守り、嫌がらせを止めようという意思を示すステッカーなりプレート(看板)みたいなものを作り、フロントガラスの隅かどこかへでも張れればいいかなと思います。 私は、日本に住む人たちが仲良くできればいいじゃないか! そう考えています。それとともに近隣諸国で仲良くしようよ、助け合おうよ、理解しあおうよと思うのですね。何かいい方法はないでしょうか? 憎みあっても何も生まれません。 土を耕し種をまき、水をやり、肥やしをやり、そこへ自然の太陽の恵みがあって、初めて発芽して花が咲き、新しい種子が実るのですよね。 一個人のなんの力もない、働く主婦ですが、私は次世代の子供たちが国籍で差別を受けたり、国際政治にほん弄されて悲しい思いをさせたくないのです。差別をして、醜い言葉を投げるような日本人をなくしたいです。 在日の方々はおわかりでしょうが、今の日本人は家族愛や人を思いやる心が薄れてるように感じませんか? そういうことも含めて、お互いに学びあい、信頼関係を築くために、納得できるまで勉強し合える場や環境があったらいいのになぁと思います。平和都市を掲げる広島ですもの、せっかく韓国や朝鮮の方々が多くおられるのですから、まずは広島から発信していけたらと思います。近いうちに総連や民団にも伺おうと思います。 人間は人間でしかなく、それ以上にはならないのです。みんな同じ人間という生き物なのですから、そこに上下もないし、差別する権利もないし、される筋合いもないのです。小さなことですが、私はまず、私にできることから始めてみます。私は生きている間に、朝鮮半島の南と北、日本のみなが、心から信頼しあえる時代を見たいと思っています。 [朝鮮新報 2006.8.9] |