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くらしの周辺−「常識」を疑うことから

 私は左利きだ。そんなことを書くスペースではないと思うが、世界では左利きがどれだけいるのだろうかと思いつつあるサイトで調べてみた。

 有名なポール・マッカートニー、ビル・ゲイツ、坂本龍一、養老孟司、朝青龍、さかのぼってはジャンヌ・ダルクやミケランジェロなどかなりの数。しかも驚くことにイカにも左、右利きがあるのだとか。誰が調べたのかというほどたくさんの著名人がいた。おそらくこれを読んで「へぇ〜」と声を出した読者もいるはず。

 なんとなく、これだけの著名人が左利きだと、私もなんだか左利きの自分に誇りを持てるような気がする。

 僕の祖父が左利きはだらしがないからという理由ではじめて持つペンを右にした。それ以外はすべて左。

 しかし、なぜか世間では左利きを「右脳型」とか「感覚派」とか「感性の人」などと言う。たしかに私は感覚で行動を起こすことがあり、そのたびに失敗している。しかし、残念ながら科学的に分析した結果は、「左利き=右脳」の関連性はほとんどないという。このような根拠のない「常識」は、強く印象づけされたいわゆる先入観にすぎない。たとえば、私の生まれ故郷−福島県=田舎。

 では、在日朝鮮人はどういう「常識」で存在しているのか。日本にはいまだに在日への無知からくる偏見や差別が強く残っている。反面、日本の過去を葬ろうとする歪んだ動きに、抵抗する輪も広がっている。時代の空気を変えるには、互いが抱いているまちがった「常識」をまず疑うことからはじめてはどうだろう。(河弘哲、広島朝鮮歌舞団団員)

[朝鮮新報 2006.8.28]