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言葉なしでも通じ合える

和太鼓演奏家 今福優さん

 「一緒にいいものを創りたい」

 8月31日、広島で行われた民族教育60周年記念公演「交響の慶事」に出演し、力強い大太鼓の響きを観客の心に打ちつけた。

 今福優さんは現在、大太鼓をはじめ太鼓一式を演奏するソロ活動家として活躍している。公演の2日前には東京・青山劇場で行われた第3回青山太鼓見聞録に出演した。

 文芸同広島の朴英美委員長とは10年来の付き合い。演奏活動の多忙な日々の中、今回の公演に「ぜひ参加したい」と買って出た。

 「文化、芸術という民族史の宝を心と体で受け継ぐというこんなに美しく、すばらしいことはない」と語りながら、「大人たちが一緒に力を合わせひとつのものを作りあげている姿を子どもたちに見せたかった。将来もこうやってつながってほしい」と切実な思いを話す。

 朝鮮のチャンダンと日本の和太鼓のリズムは「ノリ」が少し違うが、「タメ」や「間」の取り方に似通っているものがあるという。

 「日本と朝鮮半島は遠いようで、いちばん近いということをたくさんの人に知ってほしい」

 互いに違うものが融合するとき、心の根底でつながっていなければ、決して共鳴しない。「同じ目線で、同じ視点で、同じ人間として真剣に付き合うこと。言葉がなくても通じあえる。それが芸術。国家間に複雑な問題はあるが、私たちのセッションを見れば、在日の人々への嫌がらせなどなくなるだろう」

[朝鮮新報 2006.9.26]