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〈10月−保健だより−〉 「過換気症候群をご存知ですか」

過換気(過呼吸)症候群とは?

 一時的な心身反応ですから、脳や身体への影響はありません。

 若い女性に多い病気で、息があらくなり(息の荒さに自分で気づかない場合もある)、両手の指先や口の周りのしびれ、呼吸困難、失神などさまざまな症状を起こすものです。

 呼吸が速く浅くなって、空気を吸い込みすぎる状態になり、血液中の二酸化炭素が少なくなって起こります。

 呼吸をしているのに空気が吸い込めないと感じて、「このまま死ぬのでは…」といった恐怖にかられます。しかし命にかかわることはないようです。

何が原因?

 性格、心理的緊張、過労、発熱などの身体的要因など、原因はいろいろです。

 とくに女子中高生に多発しており、もともと何事に対しても不安になりやすい人が生じやすいようです。神経質な女子高生に多く、完璧主義者な性格にも起こりやすいようです。

 しかし性格に関係なく、学校や家庭で過剰なストレスを受けた時や、運動(マラソンなど)でも誘発されることがあります。

 過呼吸発作は、持続的な不安、不満や心理的緊張、恐怖、興奮、過労、寝不足、風邪による発熱でも発症は助長されます。

 しかし「これが原因だ」とは簡単にわからないことが多く、体質的な問題もあるようです。

過呼吸発作の手当て

 ペーパーバック法が有効

 紙袋などを口にあて、吐いた空気を再度吸い込むという行為を繰り返し、血中の二酸化炭素濃度を上げることができ、発作は次第におさまります。

 発作とうまく付き合う

 発作を何度も経験した人は、どんな時にどんな症状で起きるかをわかってきます。

 たとえば、ペーパーバック法を行う、好きな音楽を聴くなど、自分なりの方法はみつかります。一度うまく対処できれば、自信につながり徐々に発作も軽くなっていきます。

 また発作の原因となるような日常生活の不満、不安、怒りなどを周囲の人に相談できる環境を作ってみましょう。

学校で発作が起きたとき

 過呼吸について理解し、冷静に対処すること

 身近な先生方が、過呼吸とはどんな病態なのかをしっかり理解して、発作が起きた時は冷静に、慌てることなく対処することが大切です。周囲が過剰に反応すると症状が悪化する恐れがあります。騒然とする雰囲気はなるべく避けましょう。

 強い口調は禁物

 「今は不安でしんどいけども、必ず治まるからね」と、耳元でソフトに、自信ありげに語りかけることが大切です。病気についてわかりやすく説明することも有効です。

 発作中でも、言葉はいつもどおりに理解できるものです。

過呼吸症候群(図)

 (広島朝鮮初中高級学校 元養護教諭 徐千夏)

[朝鮮新報 2006.10.19]