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メダル

試合は終わった
ぼくの胸にメダルはない

表彰台に上がった人を
じっと見つめるばかり

明け方早く
部活に出かけ

夜遅くかえる
3年間の日々

もうすべてが終わった
2度とこない「中央体育大会」

朝早く弁当を包んでくれた
オモニの顔が浮かぶ

東京に向かう日
バス停留所で手を振る
ソンセンニムの顔が浮かぶ

激励の手紙をくれた
トンムの声が聞こえる

試合は終わった
ぼくの胸にメダルはない

表彰台に上がった人を
溢れる涙で見つめるばかり

残ったのは
汗まみれのユニオフォーム
泥のついたボール
これらをもう一度リュックに詰め込む

ああ、このリュックの重さは
ユニフォームとボールに染みついた
3年間の思い出
そこで育んだ闘志
団結という武器

目に見えない輝くメダル
リュックにすべてを押し込む
ぼくは学校に帰る
ギュッと両手を握りしめながら

金正守詩集「夢のような願い」

金正守

(訳=李芳世、詩人)

[朝鮮新報 2006.11.14]