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〈11月−保健だより−〉 感染症と伝染病の違いは?

感染症と伝染病の違い

 病原微生物(病原体)によっておこる病気は、伝染病を含めて、すべて感染症とよびます。

 細菌、ウイルス、寄生虫などの病原微生物は肉眼でも見える寄生虫から、電子顕微鏡でなければ見えないウイルスまでさまざまですが、これらによって引き起こされるすべてを感染症と呼んでいます。

 そして感染症の中でも、人から人へうつる病気のことを伝染病と呼んでいます。

 多くの感染症は、人から人へうつります。(伝染性感染症)

急な腹痛も感染症?

 腹痛には、急性腹痛と慢性あるいは反復性腹痛があります。急におなかが痛くなる場合が急性腹痛ですが、その原因は腹部内にある場合と、腹部外にある場合の両方のケースがあります。

 いつ、どこで、どのようにおこったのか、痛みの程度、持続性があるかどうかなど、食事との関係などについて情報収集する必要があります。

 子どもが急に腹痛を訴えるとき、ウイルスや細菌が原因で、胃腸の働きに異常をきたしている場合が最も多く、それは急性胃腸炎です。

 しばしば下痢を伴うことがありますが、子どもには「ゆるい便が出てる?」と聞いてみるのもよいでしょう。

 このほか、発熱、吐き気、嘔吐を伴う場合もあります。ベットに横に寝かせる、ベルトをゆるめるなど、楽な姿勢をとらせます。安静にしても状態が改善しない場合は、早めに医療機関で受診させましょう。

学校伝染病の種類

 1999年4月1日、伝染病予防法などが廃止され、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療機関に関する法律」が制定されました。それに準じて学校保健法施行規則も改正されました。

 学校伝染病の第一種には腸チフスやジフテリア、細菌性赤痢、ペストなど、2005年には新たに「痘そう」「SARS」なども追加されました。

 その他の伝染病とは、学校で伝染病が発生した場合、その流行を防ぐため、必要であれば校長が医師の意見を聞き、第三種の伝染病として措置を講じられる病気のことです。(表を参考にしてください)

 出席停止の指示などは地域や医師により流行状態を考慮し判断します。表に示した病気はあくまでも例示で、具体的にはその医師の指示に従ってください。

伝染病の予防対策

 経口感染、飛沫感染→手洗い、うがい。

 空気感染→こまめな換気。

 (広島朝鮮初中高級学校 元養護教諭 徐千夏)

[朝鮮新報 2006.11.16]