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北京で「キョレマル大辞典」編さん会議 見出し語の選別、規範の統一など論議

「統一辞典」作業、一歩前進

 連合ニュースによると、北と南が共同で取り組んでいる「キョレマル(同胞の言葉)大辞典」の第8回編さん会議が11月27日から29日まで北京で開かれた。

 北と南の言語学者40余人が出席した。

 双方の編さん委員たちは今回の会議を通じて、北の「朝鮮語大辞典」と南の「標準国語大辞典」の「ㅁ〜ㅂ」の部分の見出し語を選別する作業を行った。また、各自調査した約3000におよぶ新しい語彙について検討した。

 外来語や形態表記、文法用語、頭音規則など単一の規範の作成に向けた協議も行なわれた。

 双方の関係者らは、「編さん過程には紆余曲折もあるが、着実に前進している」と、現在の進行状況をおおむね肯定的に評価し、「ゴールはまだ遠い。もっとスピードを上げていこう」と、編さん事業の更なる発展を誓い合っていた。

 文英鎬・北側編さん委員長(社会科学院・言語学研究所長)は、2年間の編さん事業を通じて朝鮮語の体系と発展過程に対する北南間の認識が同じであることを確認したと強調し、「理念の問題を飛び越えて共に辞典編さんに取り組もうという姿勢に、絶対的に共感する」と述べた。

 南側の編さん委員長である洪允杓・延世大教授も、「南と北が見出し語の検討、反映、削除の方法において互いに接近している」と語った。

頭音規則の統一を確認

 今回の会議で焦点になったのが、頭音規則(語頭の発音と表記に関する規則)の問題。

 双方は、「頭音規則に関しては折衷案ではなく、必ず一本化されなければならない」との立場を確認した。

 折衷案を排除した結果、「력사−역사」 「리유−이유」 「녀자−여자」など南側で頭音規則が適用される単語については、どちらか一方の表記を選択して辞典に収録することになる。

 頭音規則の問題については、分断後60年以上にわたって北と南が別々の言語規範に従ってきたため、簡単に解決できる問題ではないといった意見が大半を占めている。頭音規則をどう適用するかによって、発音と表記が変わってしまう敏感な問題だけに、双方の主張は平行線をたどっている。

 北と南は、「非常に敏感な問題だが、折衷案でまとめるわけにはいかない」とし、これからも協議を続けていくことに同意した。

 また、双方の見出し語選定の方式や、実務協議の強化に関する問題についても、次回以降の会議で論議していくことにした。

 第9回会議は来年2月に金剛山で開催される。

 一方、11月30日から12月1日まで、編さん会議の参加者に中国の学者10数人を加えた、「キョレマル大辞典専門家招請会議」が開かれ、在中同胞間での朝鮮語の使われ方と「キョレマル大辞典」の活用方式について集中的に論議された。

 北と南は05年2月、共同編さん委員会を金剛山で結成、第2回会議(05年7月、平壌)では共同編さん要綱に合意した。その後、細部にわたる作業要綱についても合意し、現在は語彙グループ、規範グループなど各分野別に作業が進められている。

 編さん要綱は辞典の性格を、「編さんにおいて提起される諸問題について北と南が共同で合意、解決し、民族語の遺産を集大成した統一志向的な辞典」と規定している。

 南の団体「キョレマル大辞典南北共同編さん事業会」(高銀理事長、2003年結成)によると、12年までに30万以上の語彙を収録した「キョレマル大辞典」を完成させる計画だ。

[朝鮮新報 2006.12.1]