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女性同盟兵庫伊丹支部サークル 作品展示・舞台公演「知ってますかあなたの隣のこんな素顔」

「大きな手」がもたらす「大きな輪」

メンバーの作品はどれもいきいきとしていた

 作品展示・舞台公演「知っていますかあなたの隣のこんな素顔」が11月22日〜24日、兵庫県伊丹市立中央公民館で行われた。創立9年目を迎える女性同盟伊丹支部サークルと伊丹市立中央公民館による共催。

 会場には同サークルの絵、書道、キメコミ、アートフラワー、伊丹朝鮮初級学校生徒の習字など約280点が展示された。そのほか、創作ダンス(グループ・モナリザ)、宮廷舞踊(伊丹初級オモニ会)やシルトッ(せいろ蒸し餅)の無料体験コーナー、「チョゴリポプリ」の即売会なども設けられた。延べ約250人が来場し盛況だった。

「長いつきあい」

サークルのメンバー。できることは何でもと、挑戦は続く

 異国に生まれ育った同胞女性が民族の魂を朝鮮文字に込めようと、書道教室を始めたのが同サークルの始まり。以来、日本人講師のもと、できるものは何でもと、いろいろなことに挑戦してきた。今ではサークルの輪は大きく広がり、語り、笑い、ストレス発散の大切な場となっている。和気あいあいの中で生まれた彼女たちの作品はどれもいきいきとしていた。

 最終日、作品展に訪れた川上八郎・伊丹市議は「前向きな感じが伝わって見ていて楽しい。リズムがいいね」と賞賛し、「ハングルの習字を初めて見た。生徒たちは日本語で習字を習うと思っていた」と驚いたようすだった。

 開催期間中グループ・モナリザがコーヒーのサービスで来場者をもてなし好評だった。「女性同盟とこんなに長いつきあいになるとは思わなかった」と井出紀子代表は話す。女性同盟伊丹支部の李慶子委員長とは旧知の間柄だ。

キメコミ、アートフラワーも展示された

 グループ・モナリザは阪神大震災時、避難所でコーヒーを配っていたボランティア団体が前身である。混乱の中、国籍の垣根を越え、助け合う姿は井出さんの脳裏に今も鮮明に焼きついている。ともにコーヒーを配ったこと、公民館での関東大震災についての講演会が女性同盟と向き合う大きなきっかけになった。

 今では「オモニパワー」に圧倒されながらも、学校のバザーを手伝うなど日々関係を深めている。毎年伊丹初級卒業生に本をプレゼントしているほか「図書館を本でいっぱいにしたい」と図書の寄贈も行っている。展示会の名づけ親でもある。

 「いろいろな出会いがあって、『彼女たちは隣にいた』と発見できた」「楽しみながら、気負わずに続けていきたい」と井出さんは言う。

「みんなのおかげ」

伊丹初級生徒たちの作品

 今回の展示会は同サークルにとって初めての試み。また「公民館でのハングル作品展示も初めてのこと」と、公民館の長澤喜弘主査は言う。そして「草の根、皮膚感覚の付き合いのきっかけを作ることは公民館の仕事」だと、学習の場は率先して作っていかなければと語った。同サークルの主旨に賛同したかたちだ。

 開催にあたり公民館職員は総出でバックアップしてくれた。定期的に行いたいと市民側からの要望も出た。連帯の輪は女性同盟を軸に着実に広がっている。

 李慶子委員長が無事成功を収めたことに胸を撫で下ろしながら、「ほんとみんなのおかげだわ」と語ると「なに言ってんのよ。あんたのその大きな手で私たちをグイグイ引っ張ってきたんじゃない。これからもお願いね」との声が笑い声と共にすぐに返ってきた。

 彼女たちの「大きな手」。それは地域と同胞社会を固くつなぐ「大きな輪」となり着実に広がっている。(鄭尚丘記者)

[朝鮮新報 2006.12.23]