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〈第84回全国高校サッカー選手権大会〉 マジシャン・安聖友さん 息子の安主将に声援 「成長見守りたい」

 毎年開催される世界マジック大会での優勝経験もあるマジシャン・安聖友さん(46)が連日、第84回全国高校サッカー選手権大会の応援席にいた。大阪朝高サッカー部主将の、息子の安泰成さんを応援するためだ。

念願の1回戦を突破し涙する安夫妻

 昨年の選手権大会府予選決勝でも、妻の文俊恵さん(45)と共に声援を送った。

 府予選決勝で全国大会出場を決めた瞬間、安さんは涙が止まらなかったという。文さんも昨年5月に白血病で亡くなった弟の安泰栄さん(当時中大阪初中中級部2年)の遺影を手にし、安泰成主将の勇姿をしっかり見せていた。「お兄ちゃん、やったよ」と。

 安泰成主将は、「(全国大会出場が)弟へのはなむけになった」と、弟が着ていた中大阪初中サッカー部のユニフォームを着て同胞らの声援に応え手を振っていた。安主将の優しい心と「弟思い」の一面をのぞかせるシーンだった。

 全国大会で初勝利をものにした西目高校との試合でも、安聖友さんは感極まって泣いた。安さんら家族にとって、全国大会出場と歴史的1勝は特別なものだった。

 屈託のない笑顔、ハキハキとした受け答え、「主将」の2文字が似合う安泰成さん。そんな「しっかり者」の印象を与える息子に、つねに何か言ってきたことはありますか、と安聖友さんに尋ねた。

 すると、「特別なものはない。ただ、人間あいさつが基本だから人に会えば『アンニョンハシムニカ』『コマッスンミダ』としっかり言えるように言ってきた。サッカーであれ、どの場でも大切なことだから」。

 そして「主将としてチームを引っ張るよりも、みんなが泰成を支えてくれた」。「大阪220校の代表の重さを感じて、同胞たちの期待に応える試合をしてほしい。これからもしっかりと成長を見守りたい」とほほえんだ。(金明c記者)

[朝鮮新報 2006.1.5]