〈2006トリノ冬季五輪〉 北 次回バンクーバー大会に期待 |
南 ショートトラックでメダルラッシュ
2006トリノ冬季五輪が2月26日に閉幕し、8年ぶりに冬季五輪に出場した朝鮮選手団は、結果を残せずにトリノを去った。朝鮮は98年の長野冬季五輪にショートトラックなどを含む13人の選手が出場したが、02年のソルトレークシティー大会には参加せず、長い間、国際舞台から遠ざかっていたが、次大会以降の奮闘に期待する声が高い。一方、南朝鮮はスケート競技で躍進。金6、銀3、銅2を獲得し、国別総合順位を7位とした。 北はフィギュアスケートとショートトラックに6選手が出場。13日、ショートトラック女子500mに出場したリ・ヒャンミ(21)、ユン・ジョンスク選手(20)は、力を発揮できないまま予選で敗退。22日のショートトラック女子1000mにはリ・ヒャンミ選手が出場したが、世界との壁は厚く予選で姿を消した。 冬季五輪でも最も華やかな競技として人気があるフィギュアスケート。同競技に朝鮮はシングル男女とペアに出場した。11日、ペアのショートプログラム(SP)に出場したチョン・ヨンヒョク(18)、ピョ・ヨンミョン選手(17)は、ふるわず、13日のフリースケーティング(FS)は棄権した。 14日、男子シングルSPに出場したハン・ジョンイン選手(28)も最下位の30位となり予選敗退。21日の女子シングルSPに出場したキム・ヨンスク選手(27)の予選通過はならなかった。
今大会、南で注目を集めたのはショートトラックだ。男女そろってのメダルラッシュとなった。ショートトラック男子1500mに出場した安賢洙、李昊錫選手が金、銀メダルを獲得。1000mでも安が大会新をマークして金メダル、李が銀メダル、500mでも安が銅メダルを獲得した。また、ショートトラック男子5000mリレーではカナダ、米国を抑え金となった。スピードスケート男子500メートルでも李選手が銅メダルを獲得している。 女子選手らも男子に負けじと、リンクの上で存在感を見せた。 ショートトラック女子1500mでは、南朝鮮代表最年少の17歳で世界ランキング1位の陳善有選手が金、崔恩景選手が銀を獲得。1000mでは、02年ソルトレークシティー冬季五輪2冠の楊揚選手など強豪の中国を抑え、陳選手が金を獲得した。 また、ショートトラック女子3000mリレーでも金メダルを獲得した。同競技で南朝鮮は、1994年のリレハンメル大会以来4大会連続で金メダルを獲得する偉業を成し遂げた。 外信記者らは南朝鮮が金を獲るたびに「強さの理由」を集中的に聞いたという。 大韓氷上連盟のパク・ソンイン会長は、「幼い選手たちがたくさん輩出されるのと同時に、金メダルリストとなったコーチ陣が後輩たちを訓練させる循環システムが定着しているから」と答えた。 トリノ五輪アラカルト 技術は高いが経験不足 南朝鮮の連合ニュースは、「ショートトラックの女王」と呼ばれる南のチョン・イギョンさん(30)に、朝鮮選手のショートトラック競技での敗因について聞いた記事を載せた。 チョンさんは国際オリンピック委員会選手分科委員の資格でトリノ冬季五輪に参加。現役時代は94年のリレハンメル冬季五輪、98年の長野五輪でそれぞれ2冠を達成するなど名を馳せた選手だ。 チョンさんは、「北の選手たちは国際大会の経験不足とレース運びに失敗したことが敗因」と指摘。「スケーティングの技術はとても高い。しかし、ショートトラックは記録の競技じゃなく、順位を決める競技」だと説明し、「北の選手たちは、早い速度で氷上を走るが、相手選手を追い抜いて牽制する技術などが足りない」と語った。 また、「90年までは北の方が南よりショートトラックの技術が進んでいた。しかし、国際大会での経験不足によって全般的に技量水準が低下したように思える」と付け加えた。 南の冬季五輪誘致をサポート、北の張雄IOC委員 北の張雄国際オリンピック委員(IOC)は2月17日、トリノで南のSBSの単独インタビュー取材で、「南朝鮮の2014年冬季オリンピック平昌誘致は、北と南が力を合せなければならないわれわれ民族の任務」と語り、全幅的なサポートをする意思を明らかにした。張委員は、「南が大きなスポーツ大会をあまりにもたくさん誘致しようとしている」と首を傾げるも、2014年の冬季オリンピックは、北と南が力を合せなければならないと強調し、「同じ同胞として民族的任務という考えで、平昌の冬季オリンピック誘致を助けたい」と語った。 [朝鮮新報 2006.3.2] |