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〈投稿〉 「在日バスケ界発展のために」

 今回の投稿記事編集のため、バスケットの指導に当たっている大学時の後輩と久々に話した。彼はバスケット未経験者。どのように生徒指導に当たるのか尋ねると、本を読み、他校先生やOBにアドバイスをもらい、講習会にも参加し、自身習いながら指導を行う。

 ウリハッキョではこのようなケースは珍しくないが、あらためて聞くと現場の先生たちの努力に胸を打たれる。その努力によって在日バスケットボール界は支えられ、今日まで続いてきたと言っても過言ではない。

 現在の籠球協会の役員も、ほとんどが教員経験者だ。同胞スポーツの重要拠点となる学校クラブ、同胞スポーツの原点も学校のクラブである。「普及、強化」という言葉はスポーツでは聞きなれた言葉であるが、学校クラブがなくなると必然的に競技人口は減少するだろう。底辺が広いほど競技力も向上するが、実は、普及と強化には別々のプログラムが必要なのだ。

 底辺だけ広げたところで、人口というパイが広がっただけで自然に強くなるということではない。在日バスケ界の発展のためにどこから仕掛けるかがキーポイントとなる。私が思うに、何よりも「強化」である。とくに、選手、スタッフの専門化は急務である。籠球協会で、学校クラブの強化策をいち早く打ち出し近い将来、勝利のバイブルを作成できたらいいと思う。そして学校ごとに問題点があるだろうが、他者と共有することでより良い解決策も見つかるだろう。各先生たちに分析の重要性と必要性を感じてもらいたい。

 ライバル同士でスキルアップのために競い合いながらもっと視野を広げ、在日バスケ界発展のために共に分析し、結果を共有するのが重要だと感じる。各地方の分析データのまとめ役は協会がすべきだろう。もうこの時期は新チームとなり、新たな目標を掲げているはずだ。分析から対策を導き、着実に強化へと牽引してもらいたい。そしてあくまでも、主人公は「生徒という選手」だ。選手をきちんと評価することのできる先生でいてもらいたい。いま私たちは、子どもたちの未来に接しているということを忘れてはならない。(鄭竜基、神奈川バスケット協会理事)

[朝鮮新報 2006.3.24]