| 〈第２１回全国高校重量挙げ競技選抜大会〉 北海道朝高 李在炅選手 １０５キロ級４位入賞 |
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「自分に勝って、兵庫国体で金メダルを」
第２１回全国高等学校ウエイトリフティング競技選抜大会の１０５キロ級に出場した北海道朝高の李在炅選手（高２）。北海道初中高で１８５センチと一番背が高く、愛きょうのある優しい笑顔、はきはきと話す姿からみんなから好かれる印象を受ける。今大会では４位にとどまったが、「次こそインターハイ、国体に出場して結果を残したい」と語る。そして、「満足したらそこで終わり」と自分に課題をつねにかせながら練習に励んでいる。李選手の素顔に迫ってみた。 中級部１年からウエイトリフティングを始めた。その理由は「ただ個人競技がしたかった」という、いたって単純なものだった。 初６まではバリバリのサッカー少年。「今でも見るのもやるのもとても好きですよ」。誰よりも朝早くに運動場に行っては、中級部の先輩たちとボールを蹴った。 李選手には、どんなものにも興味を持って取り組む姿勢があるようだ。ウエイトリフティング部に所属しながら、ボクシングジムに２年通ったこともある。同時に北海学園高校でレスリングをかじったこともあるほど。「プライド、K－１なんかも好きですよ」。 そんな回り道をしながら、高１で本腰を入れたウエイトリフティング。「やればやるほどいろんな人たちに支えられて自分がいるし、部が活躍できるんだ」と痛感していく。「今の自分がいるのも１、２世たちが守ってきたウリハッキョがあるから」。そのことに気づいた李選手は、ウエイトリフティングで結果を出して期待に応えたいと、黙々と練習に励むようになった。 中２の時、第１６回全国中学校ウエイトリフティング選手権大会で銅メダル、中３の１７回大会では銀メダルを獲得している。しかし当時を振り返り、こう切り出した。「あの時は全く記録が伸びなくて、何度もやめようと思った…」。当時は家庭、学校、クラブ活動などすべてうまくいかず精神的に荒れた時期だった。 「中級部の時は人見知りで人と話すのがとても苦手だった。体も小さくて、どちらかといえば内気な性格」だと冷静に自己分析する。
そんな時ハルモニとオモニ、イモに口をすっぱくして言われた言葉が「自分の考えを相手にはっきり話しなさい」－当時、中級部だった李選手の胸にしっかりと残った言葉でもある。 高１になって、「こんなんじゃ成長しない。オモニや先生、みんなに迷惑をかけたと思って、真剣にウエイトリフティングに取り組もう、自分を変えようと決心した」。 元々、サッカー選手の体格をした李選手は太らない体質。中１の時は身長が１６０センチしかなかった。体格を大きくするには「鍛えて、食べる」しかない。がむしゃらだった。高１の時、授業が終わり午後４時から夜の１０時まで練習した。食事も食べきれないというほど食べた。１年間で３０キロも体重が増えた。 「相撲の選手は『ご飯を食べるのは練習の３倍はきつい』っていうんですよ。監督、コーチに言われて、とにかく吐くまで食べた（笑）」 李選手はオモニと姉の３人で暮らす。オモニは、夜遅く帰る息子にしっかりと食事や身の回りの世話をした。「やるからには中途半端にはするなって言われている。支えてくれるオモニにはとても感謝している」。 ウエイトリフティングの魅力は「記録が出たときにある」という。「スポーツってほとんどの競技で相手を負かして『勝つ』喜びがある。勝負の世界ですから。でもウエイトリフティングに限っては、自分に勝つか負けるかの世界。相手がいないから、つねに自分との戦いなんです。だから記録が伸びるととてもうれしいし、自信がつく」 最後にこんなエピソードを語ってくれた。今年２月、金尋監督に呼ばれていった席に大相撲の九重親方（元横綱、千代の富士）がいた。３０分ほど話をした。李選手が「最近、調子が出ないんですよ…」と話すと、親方は、「練習して練習して自分に自信をつけさせろ。先のことばっかり見ずに、目の前にある自分の課題をこなすことが先決だ」と指摘したという。 「この親方の一言で『結果』や『期待』などいろんなプレッシャーから解放された。肩の荷がおりた」 高２のインターハイは総合１３位。高級部最後のインターハイの目標はもちろん「優勝」にある。そして、朝鮮学校生初の兵庫国体の舞台で「金メダル」を取りたいと語る。「朴徳貴、金恵娟先輩たちが全国制覇しているけど、僕はそれを超えたい」。（昱） ［朝鮮新報 2006.3.30］ |
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