〈第7回全国高校ラグビー選抜大会〉 大阪朝高 1回戦突破、堂々の16強 |
大阪、東京朝高監督 「強豪校との試合、大きな経験に」 第7回全国高校選抜ラグビー大会が4月3日、熊谷ラグビー場で開幕。近畿大会で4位の成績を収め全国選抜初出場を果たした大阪朝高は1回戦で三本木農業高校(青森)を19−12で破り歴史的1勝を挙げた。2回戦では「花園」常連校の国学院久我山高校(東京)と互角に渡り合ったが、15−25の2トライ差で破れベスト16となった。一方、「チャレンジ枠」で出場した東京朝高も目標の1勝を目指したが、長崎北高校に5−24で敗退した。両校監督は、「強豪校との試合が大きな経験となった。選手たちは精神的にも大きく成長した」と口をそろえた。 最重量の三本木農業に勝利
春の高校ラグビー王者を決める大会も今年で7回目を迎えた。各校の新チームがどの程度のレベルにあるのか、また今後の勢力図を占う意味でも重要な大会だ。 参加校は9ブロックの予選を勝ち抜いた22校(開催県1校、前年度優勝ブロック枠1校含む)、チャレンジ枠2校の計24校。 東海大仰星、啓光学園、大工大など「花園」でおなじみの大阪勢に加え、東北の秋田工業、東の雄・国学院久我山、神奈川の桐蔭学園、トンガ人留学生擁する埼玉の正智深谷、九州の大分舞鶴、長崎北など大会参加校はどれも強豪校ぞろいだ。1回戦を勝ち抜くのも難しいと言われる同大会での1勝は、それだけ価値がある。 大阪朝高の相手は三本木農業高校。参加チームの中で最重量を誇る。簡単に勝たせてくれない相手だ。強風が吹き荒れる悪条件の中、キックオフ。風上に立った大阪朝高は前半、劣勢を強いられた。 思うような試合運びができず、12分にトライ、ゴールを奪われ0−7で前半を折り返した。しかし、チームに焦りはなかった。 「自分たちのラグビーをやれば勝てる。動揺はなかったしゲームプランもしっかり立てていた」(金信男監督、44) 後半、大阪朝高のFW陣が爆発。14分相手陣ゴール前5mでスクラムから連続ラック。その後モールで押し込んでFW池尚希選手(3年)がトライ。HB金誠志選手がゴールを決め7−7の同点とした。その後も2回の連続トライ、1ゴールを決めた。30分にトライを奪われるも、19−12で貫禄の勝利を収めた。 久我山に互角の展開
2回戦の国学院久我山高校との試合は1トライ差で決着がつくような互角の試合展開となった。 先制したのは久我山。前半2分でのトライに出鼻をくじかれた大阪朝高だったが、その4分後に22m左ラインアウトからモールを押し込みFW金成龍選手(3年)が左隅にトライを決め追いついた。15分にもゴール前10m左ラインアウトからモールを押し込み池尚希選手がトライを決め逆転に成功。しかし、久我山もFWの強力なモールで対抗しトライを奪う。 前半10−10。「朝高、まだまだいけるぞ!」と観客席から掛け声が飛ぶ。 後半に入っても前半の勢いをそのままに大阪朝高は、4分にゴール前5mペナルティからモールで押し込んでリードした。 「昨日の疲れが出てFWのスタミナが持たなかった」と金信男監督。徐々に疲れが見えたところを久我山につかれ、後半10分以降、立て続けに3トライを奪われた。大阪朝高も反撃に出たがここでノーサイドのホイッスル。 選手たちは悔しい表情を浮かべるも、すでに次の目標へと目は向いていた。 鄭圭哲主将(3年)は、「自分たちの力がまだ足りなかった。大会を通じて全国の強豪校に勝てる自信はついた。15人のラグビーができなかったし、1対1、バックスとフォワードの連携の強化に努めていきたい」と語った。 金信男監督は、「近畿大会の4試合、ここでの2試合は何にも代えがたい経験となった。強豪校と対等に渡り合いトーナメントを勝ち抜くフィットネス、バックスの強化に努めたい。大阪は東海大仰星が一つ抜けているが、秋までにはつかまえてみたい」と力強く語った。 ついた「自信」 東京朝高の相手は九州の強豪・長崎北高校。同校は第73回全国高校ラグビー大会で3位入賞を果たしたこともある強豪校だ。 「まずは初戦突破が目標」―申鉉秀監督(40)と選手たちはこう意気込んで試合に臨んだ。 前半の立ち上がりは両校とも互角。12分に長崎北の連続ラックからつながれ右隅にトライを決められた。 前半は0−5で折り返したが、後半に入ると長崎北が徐々にその実力を発揮し始めた。まずは3分にトライ、ゴールを決められ0−12。しかし、ここから東京朝高も反撃に出る。14分、敵陣10m左ラインアウトからモールドライブでゴールラインまで押し込みFW慎賢宇選手(3年)が左隅にトライを決めた。その後、展開力で勝る長崎北に2トライ、2ゴールを決められ、5−24で敗れた。 申監督は、「敗れはしたが、強豪校とやれる手応えを感じた。プレーの正確性をもっと追求していきたい」と語った。 また、文炯駿主将(3年)は、「悔しい…。ミスが多く、チャンスをものにできなかったのがダメだった。自分たちも決して劣るチームではないと実感できたのが何よりの収穫。オールアタック、オールディフェンスをこれからも追求していきたい」と心に固く誓った。(金明c記者) [朝鮮新報 2006.4.6] |