〈第1回在日本朝鮮人空手道選手権大会〉 空手道協会主催 初の全国的な大会 朝鮮代表選手選考も |
「ドーハ・アジア大会へのキップ、手にしたい」 第1回在日本朝鮮人空手道選手権大会(主催=在日本朝鮮人空手道協会)が14日、大阪朝鮮文化会館で行われた。01年7月に協会が結成されたあと、初の全国的大会となった。また、8月に平壌で開催される「第2回平壌国際武道大会」への出場と「ドーハ・アジア大会2006」の朝鮮代表選考も兼ねて行われた。大会では朝高生と一般の選手たちが日ごろの技量を競いあい熱戦が繰り広げられた。 白熱した女子個人戦
大会ではまず同協会の崔哲会長があいさつ。協会では結成後、アジア大会をはじめとする国際大会への参加、空手を通して朝鮮と日本の友好親善、相互理解を深めるために活動してきたとしながら、朝鮮空手道連盟との連携の下、世界に羽ばたく選手を育成していきたいと述べた。 競技は高級部部門で男、女団体の型、男子団体組手、女子個人組手が行われた。一般部門では高級部選手らの参加の下、女子個人組手、体重別男子個人組手が行われた。 やはり注目は一般の男、女個人戦だ。優勝者が国際武道大会とアジア大会の有力候補者となるだけに否が応にも選手たちにも力が入る。 まずは女子個人戦。ここには朝高女子トーナメントを勝ち抜いた上位4人と一般2人が出場した。3人ずつA、Bブロックにそれぞれ分かれ、総当り戦が行われた。Aブロック1位となったのは朝大の姜知衣選手(1年)。Bブロック1位は大阪朝高の崔美湖選手(3年)だ。 決勝はし烈な戦いとなった。互いに有効、技ありを取り合う接戦となった。終盤に連続で有効打を奪った崔選手に軍配が上がり、初優勝を飾った。 崔選手は、「一生懸命練習してきた成果が試合に表れたと思う。これで満足せず、日本の大会でも勝てるように成長し続けたい。平壌国際武道大会に出場できたなら、そこでメダルを獲得したい」と語った。 大阪朝高空手部は現在、女子選手の成長が著しい。今回、決勝に上がった朝大の姜選手も大阪朝高出身。同選手は朝高時代に府の強化選手にも選ばれている。 空手部の金守好監督は、「基本練習を徹底させ、負けないという強い気持ちを養うための練習をこなしてきた。週に1回は日本学校との練習試合も行い実戦経験を積ませている。将来は国家代表選手を輩出するのが目標」と語る。 男子個人戦もハイレベル
一般男子部門は体重別で行われた。今大会、個人戦で12人と一番参加数の多かった60キロ以下級では、鄭貴雄選手(拳道会京都道場指導員、20)が、65キロ以下級決勝では、兵庫の鄭勇喜選手(専門学校生1年、19)が優勝した。 また、70キロ級では昨年のマカオ、東アジア大会で銅メダルを獲得した全寿英選手(拳道会京都道場指導員、23)が実力通りに力を発揮し、圧倒的な強さで優勝した。 75キロ以下級では、河皓容選手(総連埼玉、東部支部総務部長、32)が優勝し、周囲を驚かせた。現職の専従活動家の奮闘ぶりに他の選手らも刺激を受けていた。「10年ぶりに試合をした」という河選手。朝鮮新報の選手募集の記事を見て応募した。「もう一度、自分自身を鍛錬してみようと思って参加した。優勝できて今はホッとした心境です」とほほ笑んだ。
そして今大会、最重量の階級となった75キロ超級。優勝したのは広島朝高の申寿男選手(3年)。個人戦で朝高選手の優勝は唯一、申選手だけだ。 強豪の一般、朝大選手らが参加する中、申選手は奮闘。決勝戦では一般参加の康成学選手(兵庫)を破り、見事優勝を勝ち取った。 申選手は、「優勝は目標だったし、必ず勝つという気持ちで臨んだ。アジア大会には参加したいし、選ばれたなら全力を尽くしたい」と意気込んでいた。 在日本朝鮮人空手道協会の宋修日事務局長は、「協会主催の初めての大会でいろいろと苦労も多かったが、開催できたことが大きな成果だ。朝高、朝大生たちに朝鮮代表となる希望を与える大会にもなった。2、3回と継続して大会を発展させていきたい」と語った。(金明c記者) 【競技成績】 ●高級部部門 団体、型 男子 @神奈川A神戸朝高AB茨城 団体男子、組手 @神戸A広島B東京A 女子個人組手 @崔美湖(大阪)A金遥菜(大阪)B金香星(神戸) ●一般部門 女子個人組手 @崔美湖(大阪朝高)A姜知衣(朝大)B表彰なし ・60キロ以下級 @鄭貴雄(京都)A李成基(朝大)B尹大樹(愛知朝高) [朝鮮新報 2006.5.18] |