〈オモニ中央バレーボール大会をふり返って〉 同胞社会 一端支える「オモニパワー」 |
同胞女性つなぐコミュニケーションの場 既報のように、第19回在日朝鮮オモニ中央バレーボール大会が20〜21の両日、北海道で初開催された。すべてのチームが前日の19日に現地入りし、同日夜には同大会では初めての交流会が催された。約220人のオモニたちは、食べて飲んで、踊り、歌い、大会では同胞社会の一端を支える力強いパワーを全開させていた。 家族の協力
バレーボールを愛するオモニたちにとって、同大会が一番の大きな目標なのは今も昔も変わらない。各地サークルでの練習は平均週に1、2回だという。幼い子どもを抱えるオモニたちにとっては、育児、そして家事をもこなさないといけないため、練習がままならない時もある。それでも「好きだから」といって集まる。家族の協力は欠かせない。 愛知五十路チーム主将の金長姫さん(57)は、「家を三日も空けて大会に参加できるのも家族の協力があってこそ。何事にも打ち込むオモニは、家事もきっちりこなす人。だからみんな協力してくれる」と語る。 そしてバレーサークルの魅力については、1つは「ストレス解消」、2つ目は、普段はそれほどひん繁ではない地域のオモニたちとのコミュニケーションを図れる点にあると強調する。
同胞社会では、地域に嫁いできたオモニたちが孤立しないよう、輪を広げる重要な拠点となっている。 滋賀オモニチームの全潤姫さん(32)は東京都出身。同チームの朴陽子さん(34)と悦子さん(32)姉妹の弟と結婚して滋賀に来た。 「みんな家族のような雰囲気でやっているし、とても居心地がいい」(全さん) 義姉の朴陽子さんは「日本のチームでもバレーボールをやっているけど、集まれば家のことや悩み事まで何でも話し合えるウリオモニたちがやっぱり一番」とほほ笑む。 「相乗効果」
初めての開催地となった北海道。「相乗効果があった」と北海道女性同盟本部の゙一純副委員長は語る。 地元北海道・札幌チームは3位入賞を果たした。応援に駆けつけた道内の同胞数は一日で約300人にもなった。 オモニたちの迫力ある応援と共に、アボジと子どもたちも「いいぞ、札幌!」と声を張り上げた。アボジたちは普段見ることのないオモニたちの一生懸命な姿に惹きつけられていたようだった。 ゙副委員長は、「試合を見て、『自分もやってみようかな』っていうオモニたちも出てきたほど。今まであまり関心のなかったオモニバレーボールに興味を寄せてくれたことだけでもうれしい。そして、地域のオモニパワーの幅を広げていくことにつなげられれば。その一つの契機になったのでは」と語った。 日本の連盟も 今大会、北海道家庭婦人バレーボール連盟・審判部長の守内浩美さん(45)と札幌家庭婦人バレーボール連盟の審判員15人が協力を惜しまなかった。北海道・札幌オモニチームと普段から交流している縁によって実現したものだ。 守内さんは、在日のママさんバレーボール大会を見たのは初めてだという。「とても活気があるし、五十路チームも元気ハツラツで若いママさんたちに負けていない。和気あいあいとした大会だと思ったら大間違いで、すべて白熱した試合だったので驚いた。マナーもとてもよかった。在日のお母さんたちの手で作られているこの大会、今後も盛り上がってほしい」。(金明c記者) オモニ中央バレーボール大会の概略 第1回大会が開催されたのは1973年。オモニたちの間でバレーボールが普及し、各地にチームができたがこの時期だ。以来30年以上の歴史がある。第1回大会はバレーボール単独の大会で、2回大会以降は卓球やソフトボールなどの競技も行われた。当時の大会名称は「在日朝鮮オモニ体育大会」。第4回大会からは2年に1回の開催となり、1986年からバレーボール単独の大会になった。 [朝鮮新報 2006.5.27] |