第36回日朝親善サッカー大会 東京朝高×修徳高校、朝大×日大が熱戦 |
「激しく、スピーディーなサッカー印象的」
第36回日朝親善サッカー大会(主催=在日本朝鮮人東京都蹴球協会)が5月23日、国立西が丘サッカー場で行われた。第1試合目は東京朝高と修徳高校、第2試合目は朝鮮大学校と日本大学が対戦した。降りしきる雨の中、選手たちは熱戦を繰り広げた。 毎年恒例の同大会。1971年の第1回大会以来、今年で36回目を迎えた。朝・日の友好親善を深めることがこの大会の趣旨で、主に社会人チームと高校定期戦の2試合が行われてきた。 今回の対戦カードは普段から顔を合わせるチーム。互いに手の内を知るだけにどのような試合展開がされるか注目された。 東京朝高と修徳高校との試合は、実力の拮抗したおもしろいゲーム展開となった。
前半は立ち上がりから互いにチャンスを演出するも決定機を逃す場面が多く見られた。後半になり試合が動きはじめた。 後半1分、右サイドでボールをもらったMF金承亨選手がフェイントで左に切り返して中央へドリブル。その勢いでペナルティーエリアの外から左足で強烈なミドルシュートを放つと、見事ゴールネットを揺らし先制点を奪った。 それからリズムに乗った朝高だが、後半20分以降中盤でボールを奪われるシーンが目立ち始めた。相手FWが中盤からのスルーパスをもらいキーパーと1対1になるなどの場面もあったが朝高キーパーがファインセーブをみせる。 攻撃のリズムが修徳に傾きはじめた後半31分、左サイドを駆け上がった修徳MFがゴール前に絶妙のセンタリングを上げると、走りこんできたFWが強烈なヘディングシュートを決め同点にした。
朝高も突き放そうと後半36分、ボールを奪ったDFが前線へ絶妙な縦のスルーパス。FWがキーパーと1対1となったが放ったシュートはゴール左へそれた。ロスタイム。最後にコーナーキックを得た修徳、ゴール前に蹴りこんだボールにタイミングよく反応し2点目もヘディングで決め、そのまま試合終了。朝高は1―2で惜敗した。 一方、朝大と日大の試合も白熱した試合となった。 現在、朝大は東京都大学リーグ1部。日大は関東大学リーグ2部の強豪だ。 前半は互いに中盤でのボール争いが続いた。FWへボールがつながらず攻めあぐねる朝大に対し、日大が徐々にリズムをつかみだす。前半40分、日大FWが左ペナルティーエリアの前を縦に抜け出したところを朝大DFがスライディングで反則。審判が出したカードはレッドで一発退場となった。 10人となった朝大の戦況は後半になって圧倒的に不利になった。朝大は全体的にラインを引いて守りに徹し、カウンターでチャンスを狙った。朝大は再三、中盤からFWへボールをあずけそこから展開。左サイドからチャンスを作るが得点には結びつかない。徐々に体力が落ち始めるとボール支配率が日大に傾き始める。しかし、日大の怒とうの攻めを朝大は最後までしのぎきり、結局0−0の引き分けに終わった。 朝大とは長い付き合いをさせてもらっていると語る日大の川津博一監督(31)は、「リスクをおかさずにシンプルにサッカーをしようと思った。流れはこっちにあったが最後まで守りきられてしまった」と試合を振り返った。 また、朝大の印象について、「激しさやスピーディーなサッカーをするという印象が強い。日大のOBは、昔は朝大に歯が立たなかったと言っている。選手たちの動きを見るとその魂はしっかり受け継がれていると思う。10人であれだけ戦える気迫は私たちが見習うべき点だ」と語った。 朝大の崔竜海監督は、「一人が退場となり、不利な状況だったが最後までしっかり守りぬけたのがよかった。個々人の役割をしっかり果たして、どんな状況でもしっかり相手に勝てるチームを作っていきたい。今はとにかく東京1部から関東大学リーグに昇格することが目標だ」と語った。(金明c記者) [朝鮮新報 2006.6.1] |