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第27回JAL杯世界アマ囲碁選手権戦 朝鮮の趙大元選手が3位 目標は優勝してプロに

日本の平岡選手(左)との対戦

 アマチュア囲碁界で最高の権威ある大会として知られる「第27回JAL杯アマチュア囲碁選手権戦」が5月28〜31日、長崎県佐世保市ハウステンボス・ユトレヒトプラザで行われ、朝鮮の趙大元選手(功勲体育人、18、朝鮮体育大学)が7勝1敗の成績で3位入賞を果たした。優勝は日本の平岡聡選手(35)、準優勝は中国の唐韋星選手(13)。

 今大会には68カ国、地域の代表選手68人が参加した。

 趙選手は2年連続2回目の出場で、昨年は7勝1敗で2位。今大会で準優勝した中国の唐選手に敗れていた。

 雪辱を期して臨んだ今大会もその実力をいかんなく発揮した。1回戦から4回戦まではコロンビア、ベルギー、アルゼンチン、ウクライナの選手たちに連勝。5回戦、優勝候補の日本の平岡選手と対局し勝利した。続く6回戦で昨年敗れた中国の唐選手と対戦。惜しくも敗れ、この時点で5勝1敗。続く7、8回戦ではルーマニア、ロシアの選手に快勝し、7勝1敗の成績となった。結果、4位までが7勝1敗で並び、直接対決の勝敗などによるポイント制で順位が決まり、3位となった。

中国の唐韋星選手(左)との対戦

 趙選手は、「去年、同胞と祖国に優勝することを誓ったのに期待に応えられなくて申しわけない気持ち。これからもよりいっそう訓練に励み世界大会で優勝し、プロ入りを果たして祖国と同胞たちの期待に応えられるようがんばりたい」と語った。

 在日本朝鮮人囲碁協会の具快萬会長は、「68選手中3位というのは大変な快挙だ」と述べ、「趙選手は力を発揮し、7勝1敗という覇者と同レベルの成績を残した。朝鮮囲碁界のレベルの高さを実証してみせた。趙選手が先陣を切ってこれからもわが国の囲碁界を盛り上げてほしい」とエールを送った。趙選手がまだ小学校の頃から見守ってきた具会長は、3位の成績と趙選手の成長に目を細めた。

 高邦泰責任監督(平壌市囲碁クラブ)は「よく健闘した。優勝した平岡選手を倒したのは大金星。祖国と同胞の力強い支援にも感謝したい。期待に応えられるようこれからも精進を重ねていく」と語った。

 本社平壌支局によると、趙選手は1988年、咸興市生まれ。祖父と父の影響で5歳から囲碁を始めた。6カ月で1段の実力を備えたという。

ロシアのフレクセイ・ラザレフ選手(左)との対戦

 1997年に平壌へ。小、中学校に通いながら朝鮮武術連盟傘下の平壌市囲碁クラブで実力を養った。

 頭角を現したのは、04年、16歳からだ。同年、6つの国内最高峰の囲碁大会中、4月の「万景台賞」、8月の朝鮮囲碁強者大会、共和国選手権(9月)で優勝した。

 平壌市囲碁クラブに所属する選手の中には、過去、海外で実習し、プロの指導を受けたことのある選手たちがいるが、高責任監督によれば「朝鮮が育てた純国産の選手だ」と語る。

 趙選手は攻撃型の囲碁が好きだという。無難に流れる囲碁を嫌い、つねにアグレッシブな姿勢を貫き、新しいものを創造しようと努力している。

 高責任監督は、「囲碁に対する情熱、探究心が強く勉強熱心だ。うまく指導して、環境がしっかり整えばプロでも実力を発揮できるのではないかと期待している」と話す。

 趙選手の趣味はバスケットボール、水泳、スケートなどの運動とコンピュータだという。(金明c、盧琴順記者)

[朝鮮新報 2006.6.8]