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〈06年度インターハイ都予選準決勝〉 東京朝高サッカー部惜敗 「全国」への扉を開けず

国学院久我山に1−2 1000余人の同胞、生徒応援団

相手陣内に果敢に攻め込む朝高選手

 2006年度全国高等学校総合体育大会(インターハイ)サッカー種目の東京都予選準決勝に駒を進めた東京朝高サッカー部は、24日、東京・駒沢第2球技場で国学院久我山高校と対戦。1−2で惜敗した。

 同部初のインターハイ出場に王手がかかった試合で「あと一歩」およばなかった。試合は後半10分、右CKからのボールをFW李晃赫選手(3年)がニアサイドからヘディングで左隅に決め先制。しかし、2分後にペナルティエリア内でPKを与え同点にされる。

 さらに後半24分、左サイドからの突破、シュートを許し逆転された。97年の全国高校サッカー選手権大会都予選決勝(Aブロック)で置き忘れた「全国への切符」を、今回も目前でつかみとることができなかった。

 観客席を埋めた1000余人の同胞、緊張感みなぎるコーチ陣、バックスタンドで校歌を歌う部員らの熱い応援を受け気合いの入るイレブン。

 試合直前、部員全員の大きな円陣が組まれた。「たくさんの同胞が来てくれた。必ず勝とう!」。悲願の「全国」。準備は整った。

 洪泰日主将のフィードで幕開けた準決勝。赤のユニホーム(東京朝高)が前半から飛ばした。が、後半力尽きた。

「応援歌」を歌うサッカー部員

 試合後の両イレブンの表情はまさに「天と地」。全国への切符を手にした久我山は歓喜の声を上げ、かたや東京朝高イレブンはひざまずき悔し涙を流した。

 ショックのあまり倒れ号泣する選手に近寄る洪泰日主将は、静かに悔しさをかみ締めていた。試合前日、「(インターハイ出場が認められた94年以来)12年間の想いがある。次は必ず全国に行く」と落ち着いた口調で意気込んだ。「全国レベルのチーム」を作り上げるため、練習以外でもいろいろと気を使った。

 試合後、「今日の舞台に立てたことは栄誉。でもまだまだ力不足」と唇をかみ締め、「30人の同級生をはじめ部員全員の力で選手権出場を目指したい」と上を向いた。

 「部員全員で全国に行く」(卞栄将副主将)との強い気持ちは、試合中の応援にも現れた。レギュラー以外の3年生らが中心となり、「オー必勝朝高!」「サッカー部の歴史を創ろう」などと声をかけ続けた。

 金鍾成監督は、就任3年目。3年間「同胞に感動を与え、興奮させるサッカー」を教え込んだ。試合後、「技術とともに自信、積極性がまだ足りない」と話していた。

 この日東京朝高は、「すがすがしくひたむきな良いチーム。もう少しで全国大会に出るだろう」(久我山監督)との評価を受ける一方、「同点に追いつかれ下を向いてはだめ」(サッカー関係者)との指摘もあった。

 ここ10年来、つねに東京朝高サッカー部員らは「全国」の2文字を意識して練習に励んできた。しかし、目前で「全国」を逃した。冬の選手権に向け険しくも短い道のりをどう突破していくのか、目が離せない。(李東浩記者)

[朝鮮新報 2006.6.29]