第25回全国ママさんバスケ交歓大会 大阪「オンマーズ」Fブロック3位 |
「まだ満足でけへん、次こそ優勝」
「もっとうまくなって全国大会に出場したい」−大阪在住のオモニたちで結成された「オンマーズ」が7月29、30の両日、茨城県立水戸商業高校など5会場で行われた25回全国ママさんバスケットボール交歓大会のFブロックで3位入賞を果たした。4年連続で同大会に出場した実力はだてじゃない。家庭とバスケを両立させるパワフルなオモニたちの姿を追った。 昨年、広島での全国大会から1年ぶりの再会。「また来てくれたん。久しぶりやね」「わざわざ来んでも、こっちから会いに行くのに」−なんて冗談がいきなり飛んでくる。バリバリ大阪のノリだ。試合前にもかかわらずチームの明るい雰囲気が場を和やかにしていた。 初日目、総連茨城県本部の李東済委員長や女性同盟、茨城初中高のオモニ会、東京オンマーズのオモニたちが差し入れを持って応援に駆けつけていた。 主将を務める金順姫さん(40)は、「自分たちはただ大好きなバスケをしているだけなのに、こんなに大ごとになっていくのに正直驚いている。同胞たちの応援は素直にうれしい。それが逆にプレッシャーでもあったり(笑)」と語る。
黒をベースに白の「OMMERS」の文字が書かれたユニフォームを着たメンバーが会場に入った。オモニたちの表情はすでに試合モード。相手を負かすことしか頭にないようだ。初戦の相手は静岡県の新居クラブ。試合開始。オンマーズは少し緊張したのか固さがみられ、相手に点数を立て続けに決められ一時は0−17のスコアになった。 しかし、ここで焦らず落ち着いて試合を運んだオンマーズは、徐々に点差をつめていった。その試合巧者ぶりは、昨年とは明らかに違っていた。結果、43−40で勝利した。 オンマーズは4月から日本人女性コーチを招いて指導を受けてきた。監督が指導に来られないことも多く、すべて自分たちで練習をこなす日々。そのため、成長の度合いにも限界があったようだ。それを補うためのコーチ指導が功を奏し、成果がしっかりと試合に表れていた。タイムアウトの時間、コーチと選手らが声をかけあう姿が印象的だった。 金英姫さん(47)は、「女性ってとても細かくて、一つひとつをしっかり学んで理解しないとうまくならない。コーチが来たことにより精神的にも成長した」と語る。
2試合目、茨城県の「Lazy Bones」との試合では本調子といかず、外からのシュートがなかなか決まらない。序盤からリードを許し、追う展開となったが最後まで追いつけず30−36で敗れた。最終戦は3位決定戦へと持ち越された。 7月30日の3位決定戦。2試合目とは見違える試合展開を見せた。外からのシュート、3ポイントシュートが入り始めた。 康勲監督(59、在日本朝鮮人バスケットボール協会会長)は、「(3試合目に)アウトからのシュートが決まり始め、やっと自分たちの持ち味を出した」と振り返る。177センチの主将・金順姫さん、180センチでチーム最年少の沈里美さん(32)の「ツインタワー」をゴール下に置き、リバウンドから何度もゴールを奪った。試合は49−40で勝利し、3位入賞を果たし、一矢報いた。 勝利した直後のオモニたちの顔は晴れやかだった。しかし、まだどこか腑に落ちないようすのオモニもいた。「2試合目で負けたことがほんまに悔しい。まだまだ満足できてへんよ」と口をそろえる。バスケに対する情熱、勝負に対するこだわりが半端じゃないのを実感できる。 初日目の試合終了後、水戸市内の同胞焼肉店で開かれたオンマーズの食事会に、茨城県バスケットボール協会の寺山徹会長が姿を見せた。同協会メンバーと長年親交を持つ在日本朝鮮人バスケットボール協会顧問の申熙智さん(67)の計らいによって実現したものだ。 寺山会長は「同大会は『交歓』する大会。全国のチームが楽しく交流を深めてくれればいい。在日同胞のママさんたちが出ることによって交流はとても意義あるものになる。スポーツに国境はないですから。これからの活躍に期待している」(c) [朝鮮新報 2006.8.3] |