世界女子サッカー選手権 出場権獲得した朝鮮チーム |
「次は必ず3位圏内に」 【平壌発=文・李松鶴、写真・盧琴順記者】7月16〜30日までオーストラリアで行われた第15回アジア女子サッカー選手権大会で、朝鮮が日本を3−2で下して3位になり、来年中国で行われる第5回世界女子サッカー選手権大会への出場資格を獲得した。帰国後、1週間の休暇をもらいリフレッシュした選手たちは現在、平壌市大同江区域にあるソンシン競技場で体をほぐす一方、世界選手権に向けた準備に入っている。 誤審で3連覇逃す
「現在のチームはこれまでのチームに比べて格段にレベルが高いので、今回の選手権ではまちがいなく優勝できると確信して試合に臨んだが、周知のように審判の意図的な誤審によって優勝できなかった。『悔しい』の一言に尽きる」。 キム・グァンミン監督(44)はアジア選手権をこうふり返った。 キャプテンのリ・クムスク選手も3連覇だけを目標にして、またその自信もあっただけに優勝できなくてとても悔しいとしながら、「中国との試合終了後、私も含め選手全員、悔し涙が止まらなかった。でも、試合がまだ残っているので、この涙を力に変えて日本戦に臨もうと決意を新たにした」と語った。
日本との3位決定戦の際、朝鮮はそれまでの4−4−2体系から、3−4−2−1体系にシフトした。キーパーをはじめ主力3選手が試合に出られなかったための措置だったが、日本の記者が「日本戦のための特別なシフトなのか」と質問してきたという。3位になるためにこの大会に臨んだわけでもなく、日本を特別視しているわけでもないと何度も同じ説明をさせられ閉口したとキム・グァンミン監督は話した。監督によると、3位決定戦を控え、それまで個人行動を取っていた日本の選手たちが朝鮮のように団体行動を取り始め、トレーニング方法も朝鮮のものと似ていたそうだ。食生活まで似通っていたという。試合は朝鮮が日本を3−2で下し、世界選手権への参加資格を獲得した。 日本戦で2得点を挙げたリ・ウンギョン選手は、「私たちと日本との実力差はさほどなかった。だから、チャンスがあればどんどんゴールを狙おうと試合に臨んだ結果」だと微笑んだ。キム監督は3−0で勝つ予定だったそうだが、「中国戦のあと、選手たちが悔しさのあまり食事もろくにとらなかったので、後半に入って体力が持たなかった」ため、2失点を喫してしまったそうだ。 主審抗議深く反省
キム監督は、今大会の教訓について、朝鮮に対する意図的な誤審は今後もありうるので、その分実力を培って他国との実力差をつけなければならないことだと話す。 中国戦で主審に抗議し「退場処分」となったキーパーのハン・ヘヨン選手に対し、アジアサッカー連盟では現在「処分を慎重に検討している」という。 当時の気持ちを話してみろと監督、同僚選手にせまられたハン選手は、「スポーツ選手としてはあるまじき行為だと思っている。しかし、相手の反則は取らない、私たちがオフサイドしていないのにオフサイドだという、あげくの果てには得点も認めない。このままではこれまで一生懸命トレーニングしてきたことがすべて水の泡になってしまうと思ったら体がいつのまにか…」と反省しきりだ。
朝鮮チームは世界選手権を目指して、10月に南朝鮮で行われるピースカップと12月に行われるアジアカップに出場する予定だ。 キム・グァンミン監督は、「ピースカップには米国、デンマーク、オーストラリアなどの強豪が参加するので、私たちの実力を測るのには良い機会だ。また、アジアカップでは中国に勝って必ずアジア選手権の雪辱を晴らしたい」と力強く語った。 これまで朝鮮は世界選手権に2度出場したものの、いまだ決勝トーナメントへの進出は果たしていない。「トレーニングをしっかり積んで、今回の世界選手権では必ず3位圏内に入ってみせる」。監督と選手は口をそろえた。 [朝鮮新報 2006.8.29] |