〈第10回国際交流サッカー大会〉 在日全国、在日北関東選抜が参加 「レベルの高さ、経験いかして」 |
ソウル、オーストラリア、Jジュニアら強豪チームも
第10回国際交流サッカー大会U−12前橋市長杯(主催=同大会U−12実行委員会)が16〜18日、前橋総合運動公園などで行われた。前橋市、前橋市サッカー協会、前橋青年会議所、在日本朝鮮群馬県青年商工会の共催で行われる同大会。ヨーロッパや南米、アジアからは南朝鮮、そして日本のJリーグジュニアのチームなどがそろい年々、規模が増している。朝鮮学校生も選抜チームを組んで参加しており、今回は「在日本朝鮮全国選抜」「在日本朝鮮北関東選抜」の2チームで参加。大会の合間をぬって歓迎レセプションや「さよならパーティー」など、各国選手と監督、役員らが交流を深める場も催された。在日選手たちと同大会の成功に尽力した群馬青商会の姿を追った。 今大会には、在日本朝鮮の全国と北関東選抜の2チームのほか、南朝鮮からは東明初等学校、ソウル市選抜、ソウル市地域選抜が参加。柏レイソル、横浜Fマリノス、コンサドーレ札幌、湘南ベルマーレ、東京ベルディ、ベガルタ仙台などJリーグジュニアチームや地元前橋のクラブチームなど、全24チームが参加した。 初日にはそれぞれ3チームずつA〜Hブロックに分かれ予選リーグ、2日目には1〜3位パートに分かれてトーナメント戦(順位決定戦)が行われた。
在日全国選抜は東京を中心に、埼玉、京都、兵庫、愛知、北関東は茨城、群馬、新潟の朝鮮学校の生徒たちで構成された。 在日全国選抜は初日に湘南ベルマーレに1−1で引き分けたものの、続くジャクパFC東京に0−6で破れ3位パートへ。2日目は1勝1敗。最終日は勝利できずに20位で大会を終えた。 同大会は、朝鮮学校の初級部が選抜チームを組んで大会に参加できる唯一の機会だという。そんな意味あいから「経験」への意義を語るのは在日全国選抜の梁 壽監督(38)。「レベルの高いチームと戦う機会を与えて経験をさせるという意義はとても大きい。選手育成において勝った、負けたよりも大会で学ぶことがとても大切だ」と語る。 全国選抜のFWとして活躍した朴昇赫選手(東京第2、6年)は、「強いチームばかりでいい経験ができた。相手は強いけど気持ちでは負けなかった」とハキハキ語った。 一方、在日北関東選抜は、とにかく「1勝」を目指して試合に臨んだが、健闘もむなしく違うチームとの実力の差を見せつけられ全敗。最下位で大会を終えた。北関東選抜の金日中監督(26、茨城初中高初級部教員)は、「選手たちの戦う姿勢をもっと育てなくてはと実感した。さまざまな人たちの協力の下、この大会に参加できているということを胸に、これからはもっといい試合ができるようにチームを強化していきたい」と語った。 北関東選抜の茨城、群馬、新潟の3つの学校から集まった16人の生徒たち。月に1、2回学校に集まって合同練習しているためみんな仲がいい。悩みの種は集まる時間や練習が限られ、チーム力アップには時間が掛かるということだ。大会のレベルが高く、2日間の試合すべてで1大差をつけられた。が、最後の試合は気迫を見せていた。 チームの主将を務めた卞彰寿選手(群馬、6年)は、「チーム全員でサッカーをすることの大切さを学んだ。1試合でも勝てるようにもっとがんばりたい」と意気込んだ。大会優勝は柏レイソル、2位は東京ヴェルディ、3位は東明初等学校となった。 群馬青商会、大会発展に貢献 「夢与えられる大会に」
大会運営は、在日本朝鮮群馬県青年商工会の尽力を抜きにしては語れない。1回大会の時から大会運営に携わっており、年々、担う役割が大きくなっている。前橋市長も大きな関心を寄せ、直々に訪れるこの大会。青商会の力をアピールする格好の場でもある。地域密着の大会で群馬青商会の貢献度は高いと周囲も評価。群馬青商会の活動により、在日選抜チームが大会に参加できているといっても過言ではない。 ホームステイ事業のための通訳派遣も行ったほか、今大会では「さよならパーティー」をすべて受け持って進行。ここでバーベキューのブースを受け持ち、女性同盟県本部のオモニたちはピビンンパッを準備して大会への寄与を大きくアピールした。そして群馬初中・舞踊部が朝鮮舞踊を各国選手たちに披露する場も用意した。 今大会の副会長を務めた前橋青年会議所理事長の庭野幸造さんは「青商会の人たちとは昔から長い付き合いをさせてもらっていて、なくてはならない存在で今後も力添えをいただきたい。在日、南のチームがこの大会で交流を深めることにも意義があると思う。サッカーは国境のないスポーツ。互いに協力しあい、いい大会にしていきたい」と笑顔を見せた。 同青商会の崔正樹会長は、「地元群馬の地域社会にも貢献できる仕事をして、朝鮮学校の生徒たちにもっと夢を与えられる大会にしたい」と語り、今後も大会に協力したいと意欲を見せた。(金明c記者) [朝鮮新報 2006.9.20] |