広島初級サッカー部上海遠征 「ウリハッキョで学ぶ意味実感」 |
中国、南朝鮮、日本のチームと試合 8月23〜28日にかけて中国・上海で「「茵宝杯」第2回中日韓国際青少年サッカー上海申花2006年足球大会」(主催=上海申花SVA足球学校)が行われ、広島朝鮮初中高級学校初級部サッカー部(4〜6年)が参加した。この大会は、財団法人広島青少年文化センター(小田寧之所長)が共催し、「第17回アジアジュニアカップ2006・広島サッカー親善大会」に参加したチームの中から選考、広島初級サッカー部を上海に派遣した。 特別枠として
今年、広島朝鮮初中高級学校創立60周年に際して小田所長から特別枠として参加の声がかかった。 青少年のスポーツ振興と21世紀を担う少年が心身を鍛え、サッカー競技を通じて技術の習得と、アジアの友好親善と国際理解に努める目的で実施されているこの派遣事業。「子どもたちが伸び伸びと国際舞台で努力し、友好親善に努めてくれたら」と、小田所長は広島初級に期待を寄せた。 8月23日、一行は空路で上海に向かった。翌24日は午前に練習、午後は上海市内を観光した。試合は8月25、26日にかけて行われた。 参加チームは中国、南朝鮮、日本から計10チーム。中には、中国プロリーグ(Cリーグ)に所属するチームが経営するサッカー学校も参加しており、レベルも高かった。広島初級は1勝4敗で終わった。今回の大会の印象について広島初級の黄泰哲くん(6年)は、「みんな強かった。もっと体力をつけて、体を大きくしなければ」と述べていた。 大きく成長
広島初級の呂東珍教務主任は「初級部の段階で海外遠征に行くのは全国でもまれなこと」だと語る。当然、同校でも初めての試み。 児童たちにとって貴重な経験となる海外遠征に、父母たちも協力を惜しまなかった。部員26人全員の遠征費用は同校サッカー部後援会がまかなった。 部員たちは遠征に向けていっそう練習に励み、第28回在日朝鮮初級学校学生中央サッカー大会(8月3〜5日、兵庫・淡路島)では1部で初のベスト4入りを果たした。許正英監督によると、この間に精神的にも大きく成長したという。自分より体の大きい相手に立ち向かうこと、最後まで諦めずに走ること、試合中に相手から何かを学ぼうとする姿勢を持つようになり、今までになかったプレーも出た。 上海遠征の総務を務めた李圭学教員は、「遠征を通じて子どもたちの視野が広がった。閉会式では朝鮮の国旗が揚がり、生徒たちはウリハッキョで学ぶ意味をはっきりと感じとったようだ」と述べた。 子どもたちに夢と希望を与え、朝鮮人としてのアイデンディティーを確立させるうえで大きなきっかけとなった今回の遠征。 李光海君(6年)は「これからもっと練習で汗を流して次回は必ず勝ちたい」と意気込みを語った。(呉陽希記者) [朝鮮新報 2006.9.27] |