〈AFCユース選手権〉 朝鮮、30年ぶりに優勝 決勝で日本をPK戦で下す |
来年、カナダFIFAU−20W杯出場権獲得 フェアプレー賞に輝く AFCユース選手権2006が10月29日〜11月12日までインドで開催された。12日の決勝戦に進出した朝鮮代表は日本代表をPK戦で5−3で下し(延長戦を終えた時点で1−1)、1976年大会でイランと同時優勝して以来30年ぶり2度目の優勝を飾った。3位には韓国が入った。 朝鮮は上位4チームに与えられるFIFAU−20ワールドカップへの出場権(来年6月30日〜7月22日、カナダ)も獲得。大会MVPにはMFのキム・クムイル選手(4.25体育団)が選ばれ、朝鮮はフェアプレー賞も受賞した。 朝鮮が30年ぶり2度目の優勝を飾ったAFCユース選手権2006大会をふり返ってみた。 グループ予選のA〜D組にそれぞれ4チームが入り予選を戦った。朝鮮は日本、イラン、タジキスタンのC組。 今大会に参加した朝鮮選手は20人で、昨年のU−17世界選手権8強入りを経験した選手が半数を超えた。昨年のAFC年間最優秀ユースプレーヤーで「朝鮮のロナウド」と異名をとるチェ・ミョンホ選手(ロシアリーグのクリリア・ソヴェトフ所属)も参加。そんな中、戦前から朝鮮の上位進出は確実視されていた。 10月29日、日本との初戦。朝鮮は昨年、同大会の出場権を賭けて熊本県で行われた予選で日本と戦ったが、この時は0−1で敗れた。今大会への出場を賭けてプレーオフに進出、しかし相手のミャンマーが棄権したため本戦出場を獲得した。雪辱を晴らそうと臨んだ日本戦。気合いが空回りしたのかリズムに乗れず、最後までゴールを割ることができなかった。結果、0−2での敗北。しかし、まだ予選突破の可能性は残されていた。 10月31日のイラン戦では攻撃陣が爆発し5−0で圧勝。悪い流れを完全に断ち切った朝鮮は11月2日、グループ予選最終戦でタジキスタンと戦った。勝たなければ予選落ちとなる試合では、後半ロスタイムで得点し1−0で辛勝。3試合終了時点で日本、イランと2勝1敗で並んだが、得失点差で日本が1位通過、辛くもイランに勝った朝鮮が2位となり劇的にグループ予選を突破した。 11月6日、準々決勝で朝鮮はイラクと対戦し、2−0で危なげなく勝利し準決勝へ駒を進めた。この時点で世界選手権出場を獲得し、一つの目標は達成した。 11月9日の準決勝では、優勝候補の中国を破り勢いに乗るヨルダンを1−0で破り決勝へ進出した。そして決勝で迎える相手はまたもや日本だった。 日本に過去2度の敗戦。3度目の正直で臨んだ決勝戦では否が応でも勝ちたかった。 試合開始早々、先制したのは朝鮮だった。前半3分、相手のクリアボールを拾ったリ・チョルミョン選手がペナルティエリアの外から強烈なミドルシュートを放つとボールはゴールキーパーの頭上を越えて決まった。 朝鮮はその後も早いプレスと球際の強さから再三ゴールチャンスを演出。押し気味に試合を進めるが、前半34分に日本選手の巧みなドリブルからのシュートで同点にされた。後半に入っても一進一退の攻防が続き、延長戦でも決着がつかず勝負はPK戦に持ち越された。 先攻の朝鮮が1本目を成功させて続く日本のシュートをキーパーが止めた。その後、朝鮮はすべてゴールを成功させて5−3で勝利。 3度目の対戦で雪辱を晴らし、見事アジア王者に輝いた。 チョ・ドンソプ責任監督はこの勝利を自国の人々にささげると語り、「優勝したのはうれしいが、来年の世界大会でもいいパフォーマンスを続けなければならない。C組の初戦では日本に0−2で敗れ、今日の試合前に選手たちには一つの心で戦うように話した。個人の輝きがチームみんなの働きに勝ることはない」と語った。(c) [朝鮮新報 2006.11.15] |