「卓球界も盛り上がっていこう」

男子シングル決勝戦

　第３３回在日本朝鮮人卓球選手権大会（在日本朝鮮人卓球協会主催）が１１月２５、２６の両日、京都市武道センターで行われた。

　大会には、北海道、東京、大阪、京都、兵庫の各卓球団と朝鮮大学校、東京、大阪、京都の朝高選手らが参加した。

　男子団体戦では、大阪朝高が活躍、決勝で兵庫Aに敗れるも堂々の２位入賞を果たした。大阪朝高選手らは、東アジアグランプリホープス卓球選手権大会（１２歳以下）出場経験を持っており、関係者からはさらなる期待を寄せられている。３位は京都。「万年３位」の異名を今大会でも返上することはできなかった。

大会最年少、１２歳の洪誠極選手

　ダブルスでは「攻守」にバランスの取れた、崔問甲・李光夫ペア（東京）が優勝した。

　今大会では京都第１、第２、第３、滋賀の生徒たちを招待しての卓球教室も開かれた。関係者は「卓球少年、少女育成のきっかけになれば」と話す。生徒たちを選手らが指導、初めて触れるラケットとボールの感覚に大はしゃぎだった。協会から用具一式がプレゼントされ、さらに生徒たちを喜ばせた。

　シングルス決勝トーナメント準決勝は、奇しくもダブルス優勝ペアの崔選手、李選手間で行われた。フルセットまでもつれる接戦、１０オール（１１点制）のすえ、崔選手が決勝へ駒を進めた。思わず崔選手はガッツポーズ。好ゲームに大きな拍手が送られた。

北海道から参加した６６歳の金竜亀選手

　決勝はお互いの手の内を知るもの同士の対決であり、また「攻め」と「守り」の両雄による激突となった。高健植選手（大阪）は「ここで優勝を逃せば２度と優勝のチャンスはない」と気合い十分。決勝もまたフルセットまでもつれた。静まりかえった館内に乾いた音がこだまする。連戦の疲労を感じさせない両雄によるすばらしい試合であったが、高選手に軍配が上がった。高選手はこれで悲願の初優勝。

　「生徒たちのがんばりに自分も応えたかった」と大阪朝高卓球部監督でもある高選手は語る。そして「生徒たちと共に心身を高めあっていきたい」と、優勝の喜びを噛み締めていた。

　大会参加選手最年少の洪誠極選手（12、東京中高）は「強い相手と対戦できていい勉強になった。けれど負けはくやしい。来年こそ」と決意を新たにしていた。

　北海道からの参加、金竜亀選手（66）は「まだまだ現役と勝負にこだわって挑戦し続ける。負けず嫌いだから」と笑った。

　閉会式で卓球協会の姜英宙会長は「体育活動を力強く推進し、卓球界も盛り上がっていこう」と述べた。

　次回大会は関東で行われる。選手たちは早くも「楽しみだ」と口をそろえていた。（鄭尚丘記者）

　【競技成績】

　・団体戦　�@兵庫A�A大阪朝高�B京都A

　・ダブルス　�@崔問甲・李光夫（東京）�A高健植・鄭喜和（大阪、兵庫）�B金成秀・黄基秀（朝大、東京）、徐璋一・李哲成（京都）

　・シングルス　�@高健植（大阪）�A崔問甲（東京）�B李光夫（東京）、金成秀（朝大）

［朝鮮新報 2006.11.29］