厳しい暑さ−夏バテ防止に参鶏湯 |
気象庁は先日、8〜10月の3カ月予報を発表した。梅雨が長引き、7月は記録的な日照不足となったが、梅雨明け後の8月からは「夏らしい夏になりそう」と予想。気温は全国的に高めで、残暑も厳しくなる見通しだ。 うだるような暑さの中、なんとも気をつけたいのが夏バテだ。日本の「土用の丑の日」同様、朝鮮にも夏バテ防止料理を食べる風習が7月下旬から8月上旬にかけて3日ある。三伏(サムボク)−初伏(チョボク)、中伏(チュンボク)、末伏(マルボク)といい、夏場の暑さが最も厳しいとされる「中伏」に、参鶏湯(サムゲタン)を食べる。 参鶏湯は、鶏の中にもち米や、高麗人参、ナツメやニンニク、栗などを詰めて煮込んだスープ料理。鶏肉は、食肉の中では最もコレステロール値が低いとされ、肌にツヤや潤いを与えるというコラーゲンも豊富。脳を活性化させるアミノ酸が含まれるなど栄養満点。高麗人参には、高血圧や生活習慣病、ストレスなど現代病の予防にも効果がある。ナツメは、「ナツメを一日3つ食べると年を取らない」ということわざがあるほど、老化や体力の低下を防止するといわれ、胃腸の調子を整える効果も。ニンニクは言うまでもなく栄養満点。強壮をはじめ、血液の流れを潤滑にする働きを持ち、朝鮮料理には欠かせない食材の一つ。これらを一度に食べられる参鶏湯は、まさしく「漢方の王道」「食べる漢方薬」などとも呼ばれている。 ほかにも、「キムチチゲ」や、「ヘムルタン(海鮮鍋)」「ポシンタン(補身湯)」も夏バテ防止に効果がある。この夏は、アツアツの鍋をゆっくり時間をかけて召し上がれ!(潤) [朝鮮新報 2006.7.31] |