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フリーマーケット

 先日、フリーマーケットをやった。場所は都内でも名のしれた若者のフリマエリア。若者数千名の中、おばさんの出店者は私たちだけ。友人の捨てるという服、靴、バッグなど数千点。しかもブランド品や若者に人気のものばかり。あまりにもったいないので、フリマをやろうという話になった。朝早くから出かけたが、受付で出店料を払い、シートを広げた途端、3〜4人の若者が群がりはじめた。抱えていた大きなバッグにそのまま詰め込んで、晴れやかに立ち去っていった。やっぱりここは反応が違うなと私たちは気をよくした。

 実際、その日は梅雨の合間の晴天にも恵まれ、オシャレな格好をした若い人が時間の流れも気にせず、自由気ままにフリマの空間を楽しんでいた。いつも時間に追われている私としては、こんな空間もあるんだなと思いながら、一時間くらいたって、グルッと一周して回ってみた。…とそこにはなんと朝一番の客≠ナあった先ほどの若者の一人がシートを広げて出店していたのだ。一瞬の間に「やられた」と思った。はるばる遠くから車に荷物を詰め込んで高速道路に乗り、台車を押してきた私たちの苦労はどうなるの?… でも待てよ、私たちの手から離れた品だから、もう私たちの物ではない。50円でも100円でも高く売って、儲けようということか。

 「ぬれ手に粟」というほどの利益ではないかもしれないが、近頃、世相を騒がす若者たちの事件が頭をよぎった。社会はつながっているのネ。(女性同盟足立、非専従 沈裕子)=今号より筆者が交代します。

[朝鮮新報 2006.7.3]