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本当の姿

 昨年、京都の朝・日大学生らは、府下6大学など14カ所で約半年間、朝鮮学校パネル展を催した。展示物は、京都第1、第2、第3初級、中高級のウリハッキョを大学生らが取材し、民族教育の「過去、現在、未来」を整理したもの。ウリハッキョの歴史と現況、なによりも実体がわかりやすく見て取れる。

 大学生らによる年末の総括集会を取材した。グループ別ディスカッションが行われ、今後の活動なども話し合われた。そこである同胞学生が、こう切り出した。「私は朝鮮学校に通っていないが、今、ハッキョ、とりわけ同胞社会と関わり『守るべきもの』をあらためて確認している」。この発言は、ウリハッキョの「像」が「ブレないもの」として形成されてきたひとつの例だと思った。

 一方で、パネル展の企画段階から携わったことこそが新たな発見でもあったと、日本人大学生は披露した。民族教育の現状を知ってもらうことによって、朝鮮と日本の関係が見えてきたと話す。まずは知ってもらい、民族教育の現状を追体験してもらったと強調していた。

 「パネル展の『入口』に入れない人の『わだかまり』を取り払うのも私たちの役目。なにができるか考えよう」―時間とともに議論は深まっていった。仲良しクラブにならず、ぶつかり合いも必要であると確認しあったりもしていた。

 京都で朝・日大学生の輪が広がっているのは、彼らが「入口」から入って本当の姿を見たからではないだろうか。出発点をまちがっていたら、パネル展は始まっていなかっただろう。(東)

[朝鮮新報 2007.1.30]