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西東京で交流会とシンポ 「朝鮮学校支援をウリの課題へ−地域と地域をつないでもう一歩前へ−」

諸問題を「ウリ」で対応

シンポジウムでは、情報交換の重要性が指摘された

 朝鮮学校に対する支援のあり方を考える、シンポジウムと交流会「朝鮮学校支援をウリ(わたしたち)の課題へ−地域と地域をつないでもう一歩前へ−」が10日、西東京朝鮮第1初中級学校で行われた。

 愼基成校長、チマ・チョゴリ友の会、朝鮮学校に教育保障を! オッケトンムの会、日野市朝鮮人学校児童、生徒の保護者に対する補助金の減額に反対する会、八王子で朝鮮学校への補助金を実現する会、タリ(「橋」の意)の会、朝青西東京本部、同校アボジ会、オモニ会など、西東京朝鮮学校を支援する各関係団体、関係者80余人が参加した。はじめて朝鮮学校を訪れた日本市民も多数いた。府中、国立、小平、日野、八王子など各地域で活動する団体らがネットワークの構築を前提に交流を深めた。

 同シンポジウムのテーマにあるように「ウリ」の解釈を拡大し、朝鮮学校を取り巻く諸問題を、日本市民らを含む地域全体で「課題」にすることは新しい試みと言える。

他人事ではない「課題」

 シンポジウムでは、まず各団体の活動報告がされた。発足からの活動経緯、現在抱えている問題点などが率直に話された。

 つづいて質疑応答、自由討論を経て緊急動議として、同校通学路の安全保障を要求する署名、滋賀朝鮮初級学校へ応援メッセージと支援金を送ることが提起された。

 司会を務めた松野哲二さんは、在日朝鮮人の問題を他人事ではない「ウリの課題」にすることは簡単なことではないが、地域社会にでは「ウリ」という立場でなければ対応することはできないと指摘し、日本人、朝鮮人双方から課題に取り組み、内に、外に発信していこうと呼びかけた。

 また国立、立川の市議会議員ら3人は、市民団体の活動を聞くとついつい手放しでがんばっていると持ち上げがちになるが、われわれも日本人の問題と捉え、議会から応援していきたいと述べた。

 最後に情報交換の重要性が強調され、その第一歩として3月に再び会合を開くことが決定された。

各団体の発言から

 朝鮮学校と日本学校にある助成金の格差は差別以外のなにものでもない。隣人であるにもかかわらず日本人には差別の実態が見えていない。地域から自分から変化していくことが大事。(杉山弘、チマ・チョゴリ友の会)

 在日朝鮮人が法的にあいまいな位置に置かれ、制度上の問題が解決されていないことを日本人は圧倒的に知らない。補助金削除などずさんな政策決定に対して、市が自分の頭で考えられるように継続的に取り組まねば。課題である横のつながりを強化し都レベルで働きかけていきたい。(千地健太、オッケトンムの会)

 権利運動を展開するうえで、主体になれず学校などに任せきりになることが少なからずあった。右傾化する日本社会において在日朝鮮人はリトマス紙のように思う。学校を支援する運動はここ数年で活性化しているようだ。積極的に連動していきたい。(金栄、八王子で朝鮮学校への補助金を実現する会)

 生徒たちはいつになく緊張した生活を余儀なくされている。自分を知り、愛すべき自分を探すことがウリハッキョ教育である。次の世代には堂々と生きていける社会を残したい。ともに立ち上がってほしい。(愼基成校長)

 シンポではこのほか、身近な定住外国人をもっと理解するべきだ、勇気をもらった、地域と地域をつないでもっと出会いの場を作っていこう、もっと地域と深く関わっていきたいとする発言があった。

 また学校関係者らは「聖域」を守るためにささいな「口実」も与えるべきでない、もっと自覚を持つべきと自らに言い聞かせていた。(鄭尚丘記者)

[朝鮮新報 2007.2.26]