top_rogo.gif (16396 bytes)

第4回国連人権理事会 総連代表団 日本当局の人権侵害を告発

各国代表、NGO 過去清算、民族差別 日本を厳しく非難

 第4回国連人権理事会が3月12日から30日にかけてスイス・ジュネーブの国連欧州本部で開催された。理事会には各団体代表らで構成された総連代表団が参加。日本軍「慰安婦」や強制連行犠牲者の遺骨など日本の過去清算に関する問題、総連弾圧と在日朝鮮人に対する差別の問題など、日本での深刻な人権侵害の現状を訴えた。各国代表、NGOからは「責任回避」「開き直り」と厳しい批判の声が挙がった。

責任回避に非難集中

日本当局の総連弾圧と在日朝鮮人への民族差別を非難した駐ジュネーブ朝鮮国連代表部参事ら

 「女性に対する暴力」のセッションでは、日本軍「慰安婦」問題が討議された。北南朝鮮の駐スイス国連代表部と朝鮮人強制連行真相調査団などは、日本軍「慰安婦」問題について日本政府の法的責任と補償を提起した「クマラスワミ報告書」について言及し、未解決のままの「慰安婦」問題に対する日本政府の不誠実な対応を非難した。

 「拷問、集団虐殺」のセッションでは、在日本朝鮮人仏教徒協会が強制連行犠牲者の遺骨問題を提起。日本政府は過去の犯罪についての責任を回避しようとしていると指摘し、一刻も早く遺骨を収集し返還するよう訴えた。

 日本の過去の犯罪が未解決のままであることについて各国の代表やNGOが理解を示し、日本政府の責任を追及した。

「最も残虐非道」

強制連行犠牲者の遺骨問題を提起した在日本朝鮮人仏教徒協会の尹碧巖・国平寺住職

 「人種差別」のセッションでは、朝鮮国連代表部と総連代表団が日本当局による総連弾圧と在日朝鮮人への人権侵害について取り上げた。

 朝鮮国連代表部のキム・ミョンナム参事は、「日本当局が行っている総連と在日朝鮮人に対する政治弾圧と人権蹂躙は総連結成以来、最も残虐非道だ」「国際法違反で犯罪行為だ」と厳しく非難。

 兵庫県商工会の金承鎬会長は、日本政府とメディア一体の反朝鮮、反総連キャンペーンにより朝鮮学校に通う子どもたちが嫌がらせや暴行を受けているとし、日本政府が歴史的、国際的責任を果たすよう訴えた。

 日本の国連代表部は、朝鮮国連代表部の発言に対して2回の抗弁権を行使。「人種差別を禁止する憲法に基づいて平等に扱っている」とし総連弾圧を正当化した。

 これに対し朝鮮側も2回の抗弁権を行使。日本の過去の犯罪による被害者の子孫である在日朝鮮人に対する差別と弾圧は、過去の犯罪の繰り返しであると指摘し、弾圧をやめるよう促した。

 一部始終を現場で見ていたあるNGO関係者は、「日本は国際社会で完全に一人ぼっちだ」と指摘した。

 また、「教育」のセッションでは、在日本朝鮮人人権協会が欧米系のインターナショナルスクールのみが優遇され、アジアの民族学校が差別を受けている状況について訴え、理事会に緊急措置を求めた。

 理事会に参加した朝鮮人強制連行真相調査団朝鮮人側中央本部の洪祥進事務局長は、「日本は『慰安婦』問題に続き総連弾圧でも孤立した存在となった。今後、総連と在日朝鮮人に対するテロ行為が国連で全面的に論議されるだろう」と語った。

NGO集会を主催

 総連代表団は3月26日、国連欧州本部の国際会議場で日本軍「慰安婦」問題と総連弾圧問題に関するNGO集会を開いた。朝鮮人強制連行真相調査団と在日本朝鮮人人権協会が主催した集会(5つのNGOが協賛)には、北南朝鮮、日本の国連代表部の職員をはじめ12カ国のNGOメンバーらが参加した。

 集会では、日本軍「慰安婦」問題に関するビデオが上映され、国連NGOインディアン運動「歴史的問題」(Indian Movement‘TUPAJ AMARU’)のラゾロ・パリー・アナグア代表(ボリビア)、「慰安婦」被害者で国連NGO対日請求財団(Foundationof Japanese Honorary Debts)のアドリアンセン・シュミット氏(オランダ)、国連NGO国際教育開発(InternationalEducational Development)のカレン・パーカー代表(米国)が発言。未解決の「慰安婦」問題で日本政府の無責任な対応を非難した。

 また、日本の警察当局による総連兵庫県本部に対する強制捜索の様子を収録したビデオが上映され、金承鎬会長と総連三重・伊賀支部の金栄泰委員長が発言。日本政府の不当な弾圧について「世界的にも類例のない重大な人権侵害」と指摘し「人種主義、人種差別を防止すべき政府が自らの植民地統治による被害者らの団体に対し、違法な弾圧を加え、マスコミを誤った方向へ扇動している」と厳しく非難した。

 参加者たちは、過去の清算を回避し、植民地支配の被害者たちに不当な弾圧を加えている日本政府の行為に驚愕し、憤慨し、連帯して抗議運動を広げることを確認した。【朝鮮人強制連行真相調査団】

[朝鮮新報 2007.4.2]