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〈みんなで子育て オンマ、オリニサークル紹介 A〉 愛知・東春 「やんぱ」

チョソンサラム育てる手助けの「場」

なじみやすいサークルに

昨年12月に行われたクリスマス会

 10年ほど前に、当時の女性同盟支部委員長から、地域の若いオンマたちが子どもと一緒に楽しめる場を作ってみたら、との勧めを受け、「やんぱ」という名の子育てサークルが結成されました。

 サークル名の「やんぱ」には、当時の責任者の思いが込められています。

 「やんぱ」とは知ってのとおり、タマネギの朝鮮語ですが、タマネギは大体、どこの家庭にもかならずと言っていいほどある野菜です。台所にあるタマネギのように、オンマたちがなじみやすいサークルにしたい、そして「ヤングパワー」で盛り上げていきたい、そんな気持ちが込められて活動が始まりました。

 現在、2カ月に1度のペースでピクニックやミニ運動会、講師を招いてのベビーマッサージ、クリスマス会、食事会などのイベントを開きオンマと子どもたちで大にぎわいです。

 毎回、「やんぱ」って楽しいねと言ってもらえるように、月に1度ずつ役員会を開き、前回のイベントの総括や反響、そして次回のイベントの準備とともに、2カ月に一度行われているイベントの時にオンマたちに配っている「やんぱ通信」の記事の分担など、入念な準備をしています。

 5〜6人で構成されている役員にはそれぞれの分担があり、責任者以外にも、副責任者、写真担当、財政担当、通信担当など、責任者一人だけに負担がかからないよう常に心がけています。

 その甲斐あって今では、毎回15〜20人(子どもまで含めると30人以上)ほどのオンマたちが集まります。とくに昨年のクリスマス会は、地域やイオ信用組合からの支援で、サンタさんから子どもたちへのプレゼントもあって、充実した一日を過ごしました。

ハッキョ、ユチバンを守る

クリスマス会ではオンマとオリニたちが楽しいひとときを過ごした

 活動を始めてからの約10年間は、毎回同じメンバーしか集まらなかったり、内容がマンネリ化していまいち盛り上がらなかったりと、問題があった時期もありました。

 そのため、参加型の集いにしようといろいろな意見を集めていくうちに、とくに気になる意見が出ました。それは、参加しているメンバーの中にウリユチバン(朝鮮学校の付属幼稚班)に子どもを送っているオンマが多く、「集まるとユチバンの話になってつまらない」「(子どもを)ユチバンに入れなければならない雰囲気になっていて参加しづらい」というものでした。

 それではと、朝鮮語を一切使わずに「お母さん」「こんにちは」などとすべての進行を日本語でやってみたところ、今度は、これじゃ日本のサークルと何も変わらないじゃないか、誰のための、何のためのサークルなのか? という意見が出て、結果的にサークルの方向性を見失い、役員たちの中でも葛藤が生じ、自信を失いかけたりもしました。

 でも役員たちの話し合いの結果、たとえ民族性を色濃く出すことができなくても、「民族」という基本を絶対に失ってはならない、集まってくれているオンマたちは、まちがいなくそれを求めているんだというとても大切な教訓を得ることになり、ユチバン、そしてウリハッキョ(朝鮮学校)を守るためのサークルとしての存在を揺るぎないものとしています。

 3月には新役員も決まり、新リーダーは7代目で28歳の洪成美さん。

 今ではオンマたちの年齢層も変わり、子どもがいてもサークルの平均年齢が若返りすぎて参加しづらいとの声もちらほら…。

 多様化している「民族性」、これからも一人でも多くの「チョソンサラム(朝鮮人)」を育てる手助けの「場」として活動していきたい。【東春分局】

 「やんぱ」の連絡先は、TEL 056・881・4524(東春支部)

[朝鮮新報 2007.4.9]