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〈Tuttiと私 B〉 ぼくを受け入れてくれた

 ぼくは1986年4月7日に生まれ、今年成人を迎えました。アボジとオモニは最初に男の子が生まれたといって、たいそう喜んだと聞いています。

 元気に生まれたはずのぼくに、とつぜん病気が襲ってきたのは1歳が過ぎたころでした。病名は先天性脳梁欠損症。この病気は簡単にいうと脳に水が溜まってしまうというもので、一般的には水頭症と言われています。ぼくの場合、右脳側に水が溜まったため左半身が不自由になりました。

 ぼくは小学校、中学校と日本の普通学校に通ってきました。しかし、友だちとなかなか打ち解けることができずにいました。

 高校を卒業する年に叔父からTuttiの存在を聞き、誘われるがままに練習を見学しにいきました。みんな仲良くとても楽しそうに練習しているのを見て、ぼくもこの中に入りたいと強く思いました。けれど心の片隅には、今まで友だちとなかなか打ち解けることのできなかったぼくが、ここでなじむことができるのだろうかという不安もありました。しかし、ヒョンニムやヌナはとてもやさしく気さくに話しかけてくれて、気がつくと素でいる自分がいました。

 それに「プッ」や「チャンゴ」を演奏することはとっても楽しいのです。それぞれ違うたたき方をする楽器、違う音のする楽器が合わさって一つの曲が作られます。ぼくはそんなとき、今までには体験したことのない一体感を感じています。

 Tuttiに入ってぼくを受け入れてくれる場所に出会いました。さまざまな人の温かさに触れることによって、自分も以前より人に温かく接することができるようになった気がします。ぼくはいまとっても楽しいです。Tuttiに入って本当に良かったと思っています。(障がいをもつソンヒョンさん)

[朝鮮新報 2007.4.10]