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付与される誤った印象

 6者会談米首席代表のヒル国務次官補は12日、「2.13合意文書」の初期段階措置履行期限(14日)が迫っていることに触れ、「(朝鮮側が期限を守るのは)難しいだろう」との認識を示した。

 合意履行が妨げられている原因は、米国が「バンコ・デルタ・アジア」(BDA)問題を30日以内に解決するとした約束を果たさなかったことにある。米国側は自らに非があることを認識していることだろう。ヒル次官補ら米国の当事者は朝鮮側、さらには米国内の強硬派をともに意識して言葉を慎重に選んでいるという印象を受ける。

 しかし西側メディアは、朝鮮側に問題があるかのような報道をしている。とくに日本の報道はひどすぎる。

 そもそも、日本の各紙は6者会談を「北朝鮮核問題をめぐる6カ国協議」と表記しているが、これは明らかな誤りだ。9.19共同声明にも明記されているとおり、「朝鮮半島の非核化」が6者会談の目標だ。南に核兵器が存在していないことを確認することも明記されている。しかし「北朝鮮核問題をめぐる」という表記が日本では当たり前のように使われ、朝鮮が核を放棄すればすべて解決するといった印象を与えている。

 そういえば、日本のメディアから「朝鮮民主主義人民共和国」という正式名称が消えて久しい。「北朝鮮」が定着し、これにまったく違和感を持たなくなった人も多いことだろう。国家権力とメディアが一体となり、世論を「反北朝鮮」一色に洗脳している今の状況が尋常ではないと思うのは筆者だけだろうか。(姜)

[朝鮮新報 2007.4.16]