top_rogo.gif (16396 bytes)

〈みんなで子育て オンマ、オリニサークル紹介 D〉 千葉・千葉 「クリウォ会」

オンマたちの拠りどころ

とても自然な形で

「クリウォ会」はオンマたちの素直な気持ちを伝え合うことができる場になっている

 2001年3月、「クリウォ会」が結成されてから今年で6年になります。

 当初は、千葉地域に若いオンマたちがいることは知っていましたが、みんなが集まれるサークルのような決まった場はとくになく、支部で行っている健康リズム体操クラブに顔見知りが数人集まる程度でした。

 まだ、第一子の長女が1歳にも満たなかった私は、他地方に嫁いできた不安と心細さでひとしおでした。そんな時、支部の忘年会にシオモニ(姑)に誘われるがままに参加して、見知らぬ人の中、隅のほうに一人座っていると、同じような立場の若いオンマたちが5〜6人いて、互いに声を掛け合いながら末席のテーブルに集まったのが会を作るきっかけとなりました。

 日常的に同じ世代のオンマたちが集まり、子育てや地域の情報交換などをできる場がほしいという共通の願いが、具体的な準備過程になっていきました。そして、とても自然にその時のメンバーが初期の幹事となり、まずはその日来なかった顔見知りのオンマを対象に声を掛け、若いオンマたちの忘年会を企画しました。

 すると24人ものオンマたちとその倍以上の子どもたちとで大盛況の集まりになり、このような場を待ち望んでいたかのようにほとんどが初対面にも関わらず話に花を咲かせ、とても楽しい一日になりました。

 そして、自信をもって会発足の準備をはじめたのでした。

毎回のイベントは会員たちの意見を反映しているためいつも好評だ

 「クリウォ」という名前には「一度会っても、離れてみるとまた会いたくなる!」という、朝鮮語の「益軒趨」という意味が込められています。若いオンマらしく、現代的かつ「ウリ」を意識できる名前にしようと相談し、名づけました。

 対象は乳幼児を持つオンマだけではなく、先輩オンマたちからもためになる経験などを見聞きできるようにと、20代から30代という年齢層に決めました。

 毎月1回のペースでイベントを企画しようと決まったのですが、やはり対象の幅が広いため個々人のニーズに合わせた内容を組むことが一番の課題になりました。また、結成当初はよかったのですが、1年、2年と経つにつれ月に一度毎の内容に行き詰まったり、参加層を広げようとしても同じメンバーだけが集まったりと、幹事たちの悩みは尽きませんでした。

 でも、常に前向きに、発足当初の思いを胸に何よりも幹事会を楽しみ、参加数の多少に関わらず、続けることの大切さに重点を置き、対象者のニーズに耳を傾けながら謙虚に活動することに努めてきました。そして、その思いを対象者にしっかり伝え、なかなか参加できないオンマたちへ届けるためにも、クリウォ通信を年に3〜4回発刊し、イベント報告から次回のお知らせ、地域活動の紹介などをしてきました。

気持ちを伝え合える場

 最近の活動内容としては、3歳児以下の子を持つオンマのために動物公園やピクニック、幼稚園児まで含めたイチゴ狩りや水遊び、流しそうめんパーティーにフリーマーケットなど、小さい子から手が離れたオンマのために先輩アジュモニ(おばさん)を講師に招いての朝鮮料理講習や家族交流バーベキュー、忘年会と多様なものになっています。

 幹事会も毎月集まり次回の協議をしていましたが、計画性のある運営と動員のため、今では年末に一度の総括に基づいて新たな年間計画を作るようにしています。また、負担を軽減し、長く楽しく続けていけるよう幹事の数を増やし、月ごとの担当者を決めて、順にイベントを具体的に企画、運営するようにしています。

 この6年間で、「クリウォ」を大事に思うオンマたちが共に支えあって培ってきた深い絆は、子どもたちにもしっかり、とてもよい形で伝わっていることを実感しています。

 子どもが学校に入る前の時期はオンマ自身初めてのことが多く、子育てから教育問題まで、一人では解決しきれないことがとくに多い時期でもあります。まして、日本社会でも問われている難題でもあり、近年では子育ての方向すら見失いそうになることもまれではないでしょう。

 千葉県はとても広く、千葉支部の中だけでも点々とトンポが住んでいるため、子連れで1時間近くかけて会に参加するのが難しい人も沢山います。しかし、一年に数回でも同年代の同胞と出会い、チョソンサラム(朝鮮人)として、ウリ同胞として自分の素直な気持ちを話し合える場があるのはとても心強いと思います。

 「ここに来ると楽しい!」「いつもとは何か違う!」と少しずつ温度差はあっても、そう思える、そう思ってくれる場になれればうれしいと思います。

 これからも、目標は「ウリの輪を広げよう!」「オンマたちの拠りどころに」です。【朴ソンイ・副責任者兼幹事】

 千葉クリウォ会に関する問い合わせは、女性同盟千葉支部(TEL 043・233・6561)まで。

[朝鮮新報 2007.4.28]