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済州島4.3事件59周年記念 「愛と平和への願いを込めて」

「朝鮮半島で初めての統一闘争」 いまだ未完の真相報告調査書

集会では「済州島4.3運動の到達点と課題」と題して李圭倍教授が記念講演を行った

 済州島4.3事件59周年記念「愛と平和への願いを込めて−講演とライブコンサートの集い」が4月20日、日暮里サニーホール(ホテルラングウッド)で350余人の同胞や日本市民の参加のもと行われた。

 集いでは、同実行委員会を代表しで東鉉氏が4.3の経緯と国務総理の名で発表された済州島4.3真相報告書にいたる現況について指摘し、今大切なことは4.3の見解うんぬんではなく向き合う姿勢であると述べ、来年に迎える60周年記念事業の準備を進めていると語った。

 1部では記念講演「済州4.3運動の到達点と課題」と題して、李圭倍耽羅大学教授(前済州4.3研究所所長)が講演した。

 李教授は4.3事件が起きた原因と背景について述べ、4.3の精神は暴力に対し民主主義を守る闘争が正しかったことを示し、「単独選挙に反対した朝鮮半島で初めての統一闘争であった」とその性格について述べた。

 李教授は、政府の名で正式な報告書が出たのは初めてのことで、60年代からの闘争の結果だと述べ、4.3特別法の制定など20世紀の事件を21世紀に繰り越してはならないというエネルギーの爆発だったと述べた。

 また李教授は、盧武鉉大統領の謝罪声明以降3年間の大きな変化について触れ、この間、4.3研究所が行ってきた1000人証言収集に基づく遺骨発掘事業などについて詳しく述べた。

 李教授は、「真相調査報告書はいまだ未完である」と指摘し、軍、警察、米国など各種の書類が破棄もしくは入手できず道のりはいまだ遠いと述べた。とくに直接作戦に参加した米軍が、60年前に何をしたのかを正直に言うべきだと語り、難しいことだが米国の責任を証明することが重要だと述べた。

 李教授は、ユダヤ人虐殺はなかったと言う者に3年間の懲役を科す「アウシュビッツのうそ」のように、「4.3のうそ」という刑法を作り被害者の名誉回復をなすことの重要性について述べ、不幸な過去を二度と繰り返さぬよう新しい世代に正確に伝えていくべきだと語った。

 李教授は、60周年を迎える来年1年間を通し記念行事を活発に行い、4.3平和人権財団(仮称)を中心に施行令を作成するなど、山積する問題を解決しなければならないと語った。

 最後に李教授は、過去を忘れ埋葬すると過去を繰り返す危険があると述べ、「今が機会であると同時に危機だ。それは、若い世代が4.3を忘れてしまうことだ」と強調した。

 2部では、シンガーソングライター李政美さんのライブコンサートが行われた。

 済州道で行われる4.3前夜祭の出演など幅広い活動を繰り広げている李さんは「故郷の春」「木浦の涙」「アリラン連曲」などを熱唱し、平和の大切さ、愛することの尊さを観客に熱く訴えた。

 【注】済州島4.3事件は、1947年3.1発砲事件をきっかけに大規模なゼネストが起き、これを弾圧するために外から警察や軍、越北者の「西北青年団」が送り込まれ、筆舌しがたい弾圧が加えられたのを発端に起きた抗争、抵抗運動だった。祖国分断をもたらす単独選挙に反対し、48年から54年まで抵抗運動は続き、3万人近い島民が虐殺されたという。(成)

[朝鮮新報 2007.5.2]