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結成から1周年 「神奈川 朝鮮学園を支える会」第2回総会

心ある日本の市民に支えられ、今後は 「広げ深める」こと

 すべての子どもたちに対する均等な教育保障を求め、日本社会の中でさまざまな制度的差別を受け続けている朝鮮学園とそこで学ぶ子どもたちの教育保障を確立するため、神奈川県内を中心に活動を続けている「神奈川 朝鮮学園を支える会」が結成(2006年4月22日)1周年を迎えた。第2回総会が4月22日、ワークピア横浜(横浜市)で行われ、各界の日本人士らからなる会員、県下総聯活動家と朝鮮学校関係者、同胞ら60余人が参加し、朝鮮学校への財政支援、さらに積極的な朝鮮学校関係者との交流、国など行政機関への朝鮮学校処遇改善働きかけなどの方針が提起、議論された。総会後、文芸同神奈川のメンバー(舞踊−呉尚姫、張愛琳さん、歌−朴昭暎さん)らによる公演などで構成された懇親会が行われた。

玉川大学問題、署名1万筆以上

 総会ではまず、「支える会」の阿部浩己代表(神奈川大学法科大学院教授)があいさつした。阿部代表は、日本社会が朝鮮学校と向き合えるよう、「行動を起こそう」というのが設立の目的であったと述べ、活動内容を随時知らせてきた会報「マダン」(現在6号)発刊の意義などについて言及。「(会は)着実な歩みを重ね、次の一歩へとつながっている」と強調した。

 続いて、神奈川朝鮮学園の禹載星理事長が常日頃から温かい支持、声援を送り続けてくれている会員らに謝意を表した。そして、今年は「教育援助費および奨学金」が朝鮮から送られてきて50年になり、また4年後には神奈川中高創立60周年を控えた意義深い年であると述べた。

 総会では武田郁三郎・神奈川県議会議員(社民党)、星野くにかず・横浜市議会議員(民主党)からのメッセージが紹介された後、中野和巳事務局長(前神奈川県高教組副委員長)が2006年度の活動、2007年度の方針について報告。今年度は@神奈川朝鮮学園とのさらなる交流を深めA行政への働きかけも視野に入れた大学受験資格問題に取り組んでいくことを明らかにした。また、玉川大学学長あての「朝鮮学園の卒業生に対する受験資格認定についての要請(案)」が紹介され、この問題に関する署名が、1万筆を超えたことも報告された。

 続いて、「朝鮮学校を取り巻く状況と課題」と題し、「1965年文部事務次官通達と現在」について、同胞法律・生活センターの金東鶴部長(在日本朝鮮人人権協会理事)が具体的事例を示しながら講演した(写真)。参加者からは「『65年通達の精神を引きずっている』という観点は新鮮だった」などの感想が聞かれた。

「今後も輪を広げたい」

 総会後の懇親会では「支える会」会員らが思い思いの意見を述べた。

 「朝鮮学校との交流を深め、日本人の生徒、教員らに朝鮮学校の授業、運動会参観などを通じて現状を知ってもらい友好の輪を広げていきたい」−新たに事務局長に就任した佐々木克己・神奈川高教組執行委員はこう述べていた。

 一方、朝鮮学校に子どもを通わす親として、日本のメディア報道が不安、心配であると危惧する南武初級オモニ会の蔡玄順会長は、それでも「『支える会』が私たちに光を差してくれている。今後、運動会、学芸会などの行事にぜひ足を運んでもらいたい」と語った。

 阿部代表は今後のキーワードは「広げ深める」ことであり、「支える会」が他の外国人学校、在日同胞らと緊密に連帯していくことが不可欠だと指摘した。(李東浩記者)

[朝鮮新報 2007.5.14]