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〈みんなで子育て オンマ、オリニサークル紹介 F〉 東京・練馬 「チャララ」

同胞社会と接点を持っていられるよう

先輩オンマの助言で

昨年の新人生祝賀会。子どもたちは大喜びだった

 今から10年ほど前、「みんなでサウナでもゆっくり入ってらっしゃい、子守りは私たちにまかせて」と、子育てに追われているオンマたちに、子育てを終えた地域の先輩オンマたちが言ってくれたのがきっかけで「チャララ」が発足しました。現在、20人ぐらいのオンマたちと子どもたちが毎月1回ずつ集まり、楽しいひと時を過ごしています。

 練馬地域はとても広く、電車だけでも4路線がカバーする地域です。トンポの家は散らばっており朝鮮幼稚園もないので、就学前の子どもたちやオンマたちにとって「チャララ」は、同胞社会と未来を結びつける大切な場となっています。

 オンマたちのほとんどが働いているので、集まりはオンマたちがリラックスできることと、子どもたちが仲良く遊べることを前提にしています。

 公園でのピクニックや水遊び、忘年会や新年会など、「チャララ」で企画したものから、支部の花見や青商会の海遊び、学校のバザーなどにも「チャララ」の席を設けて参加したりしました。「チャララ」で仲良くなった子どもたちがウリハッキョ(朝鮮学校)に入学すると、学校生活に早く慣れ、オンマたちも情報交換がスムーズになるといううれしい効果を生んできました。

ブログを開設

オンマたちも紙芝居で出演

 「ラクして楽しく」を目指す今年の「チャララ」は、より多くのオンマたちに参加してもらいたい一念で、いくつか新しい試みを始めました。

 1つ目はブログの開設です。このブログは今年の1月に始めたばかり。ほかの地域のオンマサークルのものをたくさん参考にさせていただきました。この場を借りて「ありがとうございます」。

 ブログ開設のねらいは、オンマたちが見たいときにブログを覗き、自分の欲しい情報だけを選んでもらうことです。オンマたちは忙しいので、メールの送受信もままならないことがありますし、対象者の中には同胞社会といっさい縁のなかったオンマたちも多数います。行事や情報などを携帯電話のメールで知らせるのは、少し一方的で強引かもしれないと思いました。そこでブログ。副責任者の李オンマはブログの管理、洪オンマは子育て日記を執筆してくれています。

 2つ目は、今までは年に4、5回ほどであった集まりを毎月行うようにしたこと。毎月あると、いいことがたくさんあると思えたからです。

 まず、子ども同士がお互いの顔を覚えられることです。その日楽しく遊んでいても、3カ月も間が空くと忘れてしまいます。これはオンマたちも同じですが。また1年に12回、なんらかの集まりをしていると、忙しいオンマでも3、4回は参加できるかな、と思いました。以前までなら皆勤賞にあたる参加回数です。

 人の価値観は三者三様なので、回転寿司のようにネタを豊富に用意して興味ある皿を、まずは一つ手にとってもらえたら、同胞社会に一歩近づくのではないかと思っています。集まる曜日も日曜日に変更しました。これが3番目の試みです。土曜日も働いているオンマがいることや、たまの休みに夫をゆっくりさせてあげたいというオンマたちの愛情表現(?)です。

オンマの協力最大限に

 これらの試みがうまくいっているのかどうかについて報告します。まず1月のイベントである遊園地は、格安チケットを手配したかいあって、10組以上が集まり幼児たちには大好評でした。しかしながら赤ちゃんたちには寒いうえ、アトラクションも限られ途中帰宅者が出る始末、反省しきりでした。2月には学校行事への参加、3月は会員の家に集まってのお茶会、4月には今年、ハッキョに入学した「チャララ卒業生」たちを祝う会を行いました。

 4月の会では、女性同盟のオンマたちが昼食を作ってくれました。特別ゲストの朝鮮大学校学生たちの公演は、さすが将来保育士を目指すだけあって子どもたちの目を釘付けにしていました。

 自然な形で同胞社会との接点を「チャララ」が持てただろうか、などなど、考えることはたくさんあります。打ち上げ花火のような印象的な行事は企画できなくても、参加するオンマと子どもたちの立場に立って、線香花火のように地味に活動を続けていけたらいいと思っています。


 これから企画する集まりは、「赤ちゃんも一緒にみんなでまんじゅうづくり」や、近隣の子育てサークルとの交流会、朝鮮学校見学会など、みんなでお茶を飲みながら気楽に出した案を実現することです。ハッキョには「チャララ」で団体見学に行きます。日本学校に子どもを送ろうか迷っているオンマたちも参加します。フルタイムで仕事をしているオンマたちが、学童に代わる放課後の課外授業の取り組みを質問したりします。

 「ラクして楽しむ」を実行するための作戦は、オンマたちの協力を最大限に得ることです。

 歯科衛生士のオンマには歯磨き講座を開いてもらい、パン屋を営むオンマには子どもたちの名前をチョコで書いたアンパンを焼いてもらい、理学療法士のオンマにはストレッチを教えてもらえるようお願いしています。「チャララ」を卒業した先輩オンマたちに子どもを預けて、私たちは「ゆっくりサウナ」や「おしゃれランチと美術館」コースも企画しています。

 こんな自由気ままな「チャララ」ですが、会に関わったオモニたちと子どもたちが10年、20年後も同胞社会と接点を持っていられたら、ほんとうにすばらしいと思っています。
(崔明淑、責任者)

 「チャララ」のブログは、http://blogs.yahoo.co.jp/chararanerima

[朝鮮新報 2007.5.14]