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〈みんなで子育て オンマ、オリニサークル紹介 I〉 大阪・生野南 「プッコチュ」

地域のみんなで支えあう

親子で触れ合えるよう

好評だったエプロンシアター

 生野南地域で、2003年5月から始まったコリアン子育てサークル「プッコチュ」は若い世代の同胞女性たちの交流の場のひとつとして立ち上げられました。

 「子育てや家事、仕事で毎日追われているオモニたちが、忙しいなかでも普段から横のつながりをしっかり持っておけば、いざという時、困った時は助け合い、うれしいことはみんなで共有できるのになあ」という思いから、対象になるオモニたちの家を回り、一人ひとりの意見を聞いてみました。そのうち、とりあえず、いま必要なのは子育てサークルのようなものではないかと感じたのがサークルを作るきっかけでした。

 サークル結成のため、当時0歳〜3歳までの子を持つ、子育て真っ最中のオモニたちが中心に集まりました。集まってみると、同じマンションに住みながらもお互いがコリアンだと知らずに過ごしていたオモニ同士の出会いや、家がすぐ近所だとは知らずにいたオモニたちなど、お互いのことをあまりよく知らないまま生活していたことがわかりました。そんなオモニたちですが、集まって話が始まれば、時間がいくらあっても足りないくらいに話題は尽きず、楽しいおしゃべりがいつまでも続き、話が脱線するのをおさえるのが大変ななか、サークルのことについていろいろ意見を出し合って内容を決めていきました。

 無理をせずに楽しく、長く続けられるよう、サークルは月1回のペースで集まることになりました。

 「子どもが楽しめるのが一番」「子どもが楽しければ、オモニも楽しい」ということで、内容は子どもが楽しめる遊びを中心に、親子でふれあう手遊びや絵本の読み聞かせも大事にしていきました。

 遊びの内容はなるべくお金をかけずに、身近なものを利用してできる遊びをやっています。

 例えばヤクルトの容器でマラカスを作って踊ったり、新聞紙を使って破いたり、丸めたり、うちわであおいだりと、おもいおもいの遊びをしたり、手作りの縁日(さかなつり、やきそばつくり、ボール入れ)を開いたりなど、なるべく親子で一緒にできること、遊べることを大事にしています。

心なごむひととき

 そのほかに心がけていることは、知り合い同士でおしゃべりの輪を作ってしまわないようにすること。

 初めて参加するオモニが輪に入りやすいよう、みんなで意識して声かけをするようにし、入口に入って来たときから、気持ちいいあいさつで迎えてあげようと話し合いました。

 遊びの時間が終わるとコーヒーを準備し、オモニたちのおしゃべりの時間を持ちます。子育て1年目の新米オモニが質問すれば、先輩オモニたちが経験を楽しく、笑いをまじえていろいろ話してくれます。子育ての不安や変に構えたりしている心がなごむようなひと時になるように心がけています。

 サークルの運営費をつくるために、フリーマーケットの出店も4回しました。サークルのオモニたちが、家の不用品や子ども用品などを持ち寄ったり、地域のいろんな同胞たちからもたくさんの提供品をいただいたりしました。それを仕分けしたり値段をつけたりする作業や、当日の販売などには、普段サークルに参加できないオモニたちも駆けつけ一緒に手伝ってくれました。

 初めての試みとしては、子どもたちに、もっと絵本に親しんでもらい、もっと絵本を好きになってもらおうと、5月に、生野朝鮮初級学校付属幼稚班に協力してもらい、絵本セラピストのさくらさんの公演「えほんらいぶ」を、幼稚班の教室を借りて行いました。

 当日は園児たちも一緒に参加し、電子ピアノを弾きながらの手遊びはとても楽しく盛り上がりました。そして大型絵本を含むいろんな楽しい絵本の読み聞かせや「お母さんにも読んでもらおう」と突然指名されてオモニが絵本の読み聞かせに参加したりと、まさしく参加型の「えほんらいぶ」は大変好評でした。

 これを機にサークルと幼稚班との連携、交流ももっともっと深めていこうということになりました。

いろんな形でアピール

 サークルの課題として常にあるのは、参加者をどうやって増やすかということ。そのため「プッコチュ」では、サークルのことを1人でも多くの人に知ってもらおうと、口コミはもちろん、毎月、サークルの案内チラシを区役所や図書館、子ども子育てプラザなどの公共施設に配ったり、同胞情報誌に載せてもらったりという努力をしています。

 最近では、生野南地域の「1世から4世までのニョソンたちの交流会」(バーベキュー)の場で「プッコチュ」をアピールするために、エプロンシアターをしました。普段サークルでどんなことをやっているか知ってもらうためです。「はらぺこ怪獣」のエプロンシアターは当日集った子どもたちにとても楽しんでもらえました。そしてみんなで考えたサークルのアピールも読み、サークルがこれからも長く続くよう支援をお願いしました。

 子育てサークルは、子育て真っ最中のオモニたちだけのものではありません。いろんな人の思いが集まり、協力してくれることによってなりたっています。先輩オモニに迎えられていた新米オモニがいつしか先輩オモニになり、共に助け合う地域の同胞コミュニティを作る大事な一員となっていきます。

 未来を担う子どもを育てるという、大切な過程を地域のみんなで支えあうことが、地域全体のパワーへとつながっていくことを願い、これからも子育てサークルを支えていきたいと思っています。

 1人寂しく子育てをするオモニがいなくなるように、初めての子育てにオモニが不安にならないように、和気あいあいと楽しく、来て良かったと思えるサークルつくりをこれからも心がけていきたいと思います。【南聡美、代表】

 「プッコチュ」に関する問い合わせは、女性同盟生野南支部(TEL 06・6758・3247)まで。

[朝鮮新報 2007.6.18]