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ある同胞の電話

 「総連でのできごとを、なぜ日本のマスコミを通じて知らされなければならないのか。なぜ朝鮮新報でもっと迅速に知らせてくれないんだ。それがとても悔しい」

 先日、ある同胞からこんな電話がかかってきた。その同胞は、日本のマスコミは「総連=悪」という姿勢で報道していることは百も承知だ。だからこそ、朝鮮新報は総連のはっきりした態度、見解をしっかりと、早く示してほしいと話した。

 まったくその通りだと思う。

 安倍政権発足後、朝鮮と総連に対するバッシングは常軌を逸しているばかりか、不当な強制捜索、人権蹂躙行為がまかり通っている。そんな中で、日本当局の不当性はもちろん、総連の正当性をいち早く伝えるのが朝鮮新報の記者としての役割である。

 記者としてもさることながら、同胞のニーズに応えるべき総連の活動家としても、その同胞の電話には考えさせられるものがあった。

 当たり前のことだが、総連の活動家は同胞の上に君臨して指図する人間であってはならない。同胞が困っていること、悩んでいることを解決する奉仕者でなければならない。それを忘れてしまっては、活動家として存在する意味もない。

 もちろん、同胞の上に君臨しようなどと思ったことはないが、日々の仕事に忙殺されるうち、初心を忘れていたのではないか。

 そんなことを、ある同胞からの一本の電話が考えさせてくれた。(松)

[朝鮮新報 2007.6.18]