東京地裁の判決と関連 朝鮮総連中央・南昇祐副議長の談話 |
18日、東京地裁は、整理回収機構(RCC)への債務の返済に関するわれわれの主張を認めず仮執行処分まで付けた判決を下した。 朝鮮総連は2003年2月、返済の義務を負うべき債務を確認したあと、RCCとの和解協議に真摯な姿勢で臨み、問題解決のために最大限の努力を傾けてきた。 にもかかわらず、RCCはその過程で積み上げてきた努力と信頼を無視して、とうてい実行することが不可能な要求を突きつけることによって和解交渉を難航させた。 和解を困難な状況に追い込んだRCCの高圧的な姿勢が、安倍政権の発足を前後して強まったことは偶然ではない。 RCCが本来の責務である債務の回収ではなく、朝鮮総連中央本部会館そのものを処分することに目的をおいたことが和解交渉を難航させた原因である。 朝鮮総連は朝鮮総連中央本部会館の売買問題が、代理人が述べたように競落代金を上回ると確信する金額をRCCに支払うための適法な方法であると認識しており、販売代金の全額をRCCに返済するわれわれの意思は確固としたものである。 にもかかわらず日本政府首脳と捜査当局は、それがあたかも違法行為であるかのように決め付け、事件化し破綻させるに至った。 RCCの債権回収問題が政治問題に変質し、朝鮮総連中央本部会館を駆逐せよと言わんばかりの異様な状況が作られたことは、現政権の朝鮮総連敵視政策と在日朝鮮人に対する排外主義に起因する。 朝鮮総連が在日同胞の生活と権利を守るとともに、朝・日友好親善を促進するための活動を幅広くおこなってきたことは周知の事実である。また朝・日間に国交が正常化されていない現状下で、ビザの発給と日本の政党を含む各界人士との交流を進める、朝鮮民主主義人民共和国の海外代表部的な役割も担ってきた。 しかし、日本政府は歴史的に認められてきた朝鮮総連の活動を意図的に否定し、安倍首相自身が何らの根拠もなく朝鮮総連を犯罪団体視する発言をくり返す中で、RCCの債権回収問題が大々的な反朝鮮総連キャンペーンに利用されている。 これは、朝鮮総連の正当かつ合法的な活動と在日朝鮮人の尊厳を著しく傷つけるものであり、朝鮮総連のイメージを失墜させる行為で決して容認できない。 われわれは、朝鮮総連を犯罪団体視し際限なく反朝鮮総連、反朝鮮人感情を煽り、日本社会から排除しようとする理不尽なキャンペーンに断固抗議する。 われわれは、日本当局が朝鮮総連に対する不当な政治的弾圧と、合法的な売買問題を犯罪視する行為を即時中止することを強く要求する。 RCCは、政治的偏見をもつことなく公正な立場で問題の処理にあたるべきである。 朝鮮総連は、これからも債務の弁済に誠意をもって対処する所存である。 広範な日本国民のみなさんが、在日同胞の生活を守り権利を擁護する朝鮮総連の活動に変わらぬ理解と支援、協力をよせてくれることを望む。 2007年6月19日 [朝鮮新報 2007.6.20] |