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盛況の「第2回三田マダン−集まろう、みんなの祭り」

お互いの文化、認め合い共生を

好評だった朝鮮舞踊

 晴れ上がった青空の下、さる5月13日、三田市役所(駐車場)の広場において「第2回三田マダン」の集いが、華やかに行われた。

 会場の正面には、大きな舞台が設けられ、周囲に色とりどりの立旗がなびいていた。

 会場には「第2回三田マダン」実行委員会のメンバーを中心に、三田市当局の関係者、共催の三田国際交流協会の在日コリアン、朝鮮総連三田支部、民団三田支団の各代表も参加した。また、三田市在住の外国人、日本市民ら2000余人が会場を埋めた。

 そして、三田地域の校区である伊丹朝鮮初級学校からは、学父母たちを中心に70余人の同胞が応援に駆け付けた。

 午前11時、開会が宣言され、実行委員会から主旨の説明とあいさつがあった。

 舞台では三田市立狭間中学校の吹奏楽マーチング曲が演奏された。ついで、伊丹朝鮮初級学校の民族舞踊「かくれんぼ」、打楽器合奏「サムルノリ」が披露され、民族教育のすばらしさを示した。引き続き、三田太鼓、沖縄エイサー、中国獅子舞い、国際テコンドー、関学よさこい連「炎流」、在日本韓国青年同盟兵庫県本部の「サムルノリ」「チャンゴ」の演奏があった。

大人気! オモニたちの飲食コーナ

 そして、総合武術一武芸団の演技があった。

 最も注目を集めたのは、神戸朝鮮高級学校の吹奏楽部と舞踊部生徒による民族楽器「プク」と吹奏楽による「歓喜」、そして、舞踊「一つのマダン」であった。観客たちは惜しみない拍手を送った。

 朝高生の代表は「私たちは、いつも民族の心を大切にしていこうという熱い気持ちを持って、日々活動しており、今日の舞台もそんな熱い心、民族のパワーをお届けしたい一心でがんばります」と話した。

 また、三田市生まれの「三田太鼓」一座は、結団23年、朝鮮学校との親善交流も長く、行事があるごとに協賛演奏を行ってきた。一方、オーストラリア、米国、韓国など海外公演6回、延べ650余の演奏を行ってきた、名のある一団でもある。

 当日の公演は、昼食をはさんで5時間行われた。

 公演の最後を飾った、「みんなで楽しく踊りましょう」に出演した兵庫朝鮮歌舞団は、祖国の自主的平和統一と朝・日友好親善のために、年間100余回の演奏活動を行っている。全団員が日本で生まれ育った在日朝鮮人で、朝鮮学校を卒業。悠久な朝鮮文化芸術を、次世代へつないでいくための担い手であることを誇りに思うと、力強くアピールした。

 「第2回三田マダン」実行委員会の杉尾武委員長は、要旨次のように述べた。

 「日本人や日本に住むいろいろな国の人々の出会いを通して、民族の文化の違い、すばらしさを認め合い、共に生きていこうという思いを確認しあい、感じあえる楽しい祭りの広場を、三田の地で立ち上げ、昨年に次ぐ第2回の開催となりました。

 一方、残念なことに、在日朝鮮、韓国人に対する偏見や差別などは、今なお解消しておらず、差別を受ける側の痛みはもちろん、差別する側の人々にとっても、何ひとつ利益にはなりません。この三田マダンの集まりを通じて、多くの人々がふれあいの中で、お互いを理解し、厳しい民族差別を受けてきた在日コリアンを含む、すべての外国人、日本人の人権が尊重される三田の街づくりにつなげていきたいと考えます」

 今回の「第2回三田マダン」開催のもうひとつの重要なイベントは、「食べよう、感じよう、遊ぼう」のスローガンの下、設けられたいろいろな食べ物コーナーで会場全体を包み込んだ。

 三田地方の特産物コーナー、アジア伝統の子どもの遊び、おもちゃの体験、民族衣装の体験など、なかでも興味を引いたのは、色鮮やかで美しいチマ・チョゴリを身につけ、カメラに収まる若い女性たちの姿は、とても印象的であった。

 伊丹朝鮮初級学校のオモニたちによる飲食コーナーでは、味自慢の焼肉丼、冷麺、チヂミ、ビビンバなどの人気が高かった。

 大勢のオモニたちの献身的な努力によって、準備された品々は完売された。

 三田市議会の家代岡桂子議長は「三田市でこのような集まりがもたれたことは、良かったと思います。朝鮮学校のかわいい子どもたちの歌と踊りには感動しました。とくに、オモニたちの熱心な姿には驚きました」と話した。

 三田市と言えば、兵庫県JR福知山線沿線の最も広い盆地に囲まれ、11万余の人口を擁する新興都市の一つでもある。市内中心に1700余人の外国人が住んでおり、そのうちの650余人が同胞である。過去、金剛山歌劇団の公演が同胞や全市民グループの取り組みによって、2回行われた地域でもある。

 三田マダンの終わりにあたり、朝鮮総連三田支部の具正一委員長は、今回の集いを通じて、いろいろな人々との連携と絆が深まり、私たちの置かれている環境と民族教育のすばらしさをアピールできたのは大きな成果であったと思う、これからのさらなる前進を目指してがんばっていきたいと、固い決意と抱負を語っていた。(李大熙、兵庫県同胞長寿会)

[朝鮮新報 2007.6.22]